改正新物効法が成立 中継輸送へ施設整備促進
13日の参院本会議で、トラックの中継輸送施設の整備を促進するための計画認定制度創設を規定する改正物流効率化法(新物効法)が賛成多数により可決、成立した。トラックドライバーの不足や物流の効率化に向け、トラック運送事業者間の中継輸送を進めるため、貨物の積み替えなどを行う施設の整備を促す。一部の規定を除き、公布から6カ月以内に施行する。(田中信也)
改正法は、固定資産税などの課税特例や、資金出資・貸し付けの予算措置、運行経費の支援など総合的な支援措置を規定する。中継輸送施設の整備促進に向けて「貨物自動車中継輸送事業」の実施者が事業計画を策定し、国土交通相が認定する「貨物自動車中継輸送実施計画認定制度」に基づく。公布から6カ月以内に施行するが、中継輸送実施の基本方針制定などの準備行為に関する規定は公布日から施行する。
12日の参院国土交通委員会(辻元清美委員長)の審議では「貨物のマッチングシステムの構築・浸透」に関する意見が複数の委員から上がった。国交省の岡野まさ子・総括審議官兼物流統括調整官は「民間によるマッチングシステムが一定程度普及しているので、中継輸送拠点でもこうしたシステムの導入を促したい」と回答。その上で、中継輸送の実施手引や取り組みの事例集、リーフレットなどの周知を図りつつ「制度の普及に努めていく」とした。
羽田次郎氏(立憲民主党)が「中継輸送には大きく分けて、運転者交代型、コンテナ交換型、貨物積み替え型のパターンが存在する」と指摘。法改正で想定しているパターンについて回答を求めるとともに、普及の見通しを質問した。
これに対し、岡野氏は「貨物の一時的保管機能を要件としており、ドライバーの交代とともに保管していた貨物を帰り荷として積み込むことを考えている」と、貨物積み替え型を想定していることに言及。その上で「ドライバーの交代のみや、コンテナの交換も排除するものではない」と付け加えた。
三浦信祐氏(公明党)、初鹿野裕樹氏(参政党)は、中継施設に求める機能について質問した。岡野氏は「整備・運営事業者や利用者にとって負担が過重にならないよう要件を今後具体化していく」と言及。また、金子恭之国交相も「法案審議の前に日本最大級の京浜トラックターミナルを視察したが、仮眠施設、入浴施設といった全ての機能を兼ね備える必要はなく、それぞれの拠点で検討していただければよい」と答えた。
礒崎哲史氏(国民民主党)は「生鮮食品の中継輸送は難しいという現場の声がある」と指摘。これに対し、農林水産省の高橋一郎新事業・食品産業部長が「産地と消費地が離れている場合が多く、どうしても長距離輸送にならざるを得ないため、中継輸送は有効だが、鮮度・品質の維持が重要な課題」と言及。その上で、中継共同物流拠点施設緊急整備事業に基づき「長距離輸送に対応した拠点の設置を全国で進めている」と説明した。


電気トラックのワイヤレス充電、ふそう・名鉄NXが実験
三菱ふそうトラック・バス(フランツィスカ・クスマノ社長兼CEO=最高経営責任者、川崎市中原区)は12日、名鉄NX運輸の江南支店(愛知県江南市)で、日本初のワイヤレス充電による電気トラックの実証実験を公開した。4~6月に実施し、ケーブルを使わないことによるドライバー負担の軽減効果や作業効率の向上を検証していく。(梅本誠治)
実証実験は、環境省の物流分野での脱炭素化に向けたワイヤレス充電事業の一環で、ダイヘン(蓑毛正一郎社長、大阪市淀川区)が開発した停車中ワイヤレス充電システムを活用する。
2025年からふそうと三菱総合研究所(籔田健二社長、東京都千代田区)で共同実験を進めており、今回の実用化に向けた動きには名鉄NX運輸が協力する。
電気2㌧トラック「eキャンター」の専用車両に受電コイルを装着。ワイヤレス充電システム内で発生させた電力を、車両を定位置に止めるだけで送電コイルからバッテリー充電できる技術を確かめる。
eキャンターは、日本初の量産小型電気トラックとして17年の販売開始から国内44都道府県に販路を拡大。バリエーションを増やしながら23年には世界展開を始め、累計3400台を販売してきた。
説明会で、ふそうの林春樹副社長は「名鉄NX運輸さんには、eキャンターの発売当初から、東京、名古屋、大阪などへの導入で実用化に協力をいただいている。その中で強く感じてきたことは、車両性能だけではなく、現場の運行にどう組み込むかの大切さ。エコシステムとして活用することがますます重要になる中で、これを機に多くのパートナーとの連携による実環境での実用性を検証していきたい」と述べた。
名鉄NX運輸では現在、グループを含めて全国で28台の電気トラックを運用し、3年前に立ち上げた江南支店には、当初から5台の電気トラックを日々の集配業務に利用してきた。今回新たに加わったワイヤレス充電車両1台は、江南支店を起点に片道10㌔圏内で運行。一日に配達を15~20件、集荷4、5件をこなして50~70㌔走行し、帰着後は定格5㌔ワットのワイヤレス充電を行って翌朝の業務に備える運用方法を想定している。
名鉄NX運輸の吉川拓雄社長は「江南支店は、太陽光発電などの施設や低炭素車両、電動リフトなどの省エネ設備の導入を順次進めてきた。今後はワイヤレス充電を日々の業務に活用し、安全性や利便性、ドライバー負担の軽減効果を収集・共有していくとともに、より一層、安全第一で荷主や地域に信頼されるサービスの提供に努めたい」と話した。

三栄運輸(山本幹起社長、三重県伊賀市)の倉庫では4月以降、イラン情勢の影響で石油由来の樹脂やフィルムの保管が急増する一方、出荷が止まる状況が続いている。山本社長は「倉庫事業者として保管が増えるのはありがたいが、荷物が回転しないと全く商売にならない」と頭を痛めている。
主力のトラック輸送に加え、伊賀市内2カ所で延べ床面積4万平方㍍の自社施設を活用して倉庫事業を展開している。本社倉庫では、牛乳パック、紙コップ、包装紙の材料となる大量のロール紙のほか、これらの紙製品の防水ラミネート加工に使用するポリエチレンなどの樹脂も保管している。
本社倉庫は天井高9㍍の1階にロール紙を積み上げ、2階ではフレキシブルコンテナ入りの樹脂や半導体関連のフィルムを預かっているが「荷主の要望で樹脂とフィルムの保管が増える一方だ。今後の品不足を想定した対策だと理解しているが、入庫するばかりで出荷が止まっている」と明かす。
その上で「これは極論だが、荷物が活発に動いてくれたら倉庫はタダでも構わない。しかし、動きが止まると物流ビジネスが成り立たなくなる。このまま保管だけが増えると倉庫の空きスペースがなくなり、動きがある他の荷物を預かれなくなる」と懸念する。
同社では、名古屋港などから海上コンテナで入荷したロール紙を倉庫で保管し、自社トラックで各地の工場に出荷している。今のところ、ロール紙そのものの入出庫にイラン情勢の影響は出ていないが、工場で作られている各種紙製品は、ラミネート加工を経ないと商品にならない。
現在、ナフサ(粗製ガソリン)から作られるシンナー不足が全国の塗料メーカーを直撃し、あらゆる工業製品の塗装作業が遅れているが、このような「流通の目詰まり」は紙製品のサプライチェーン(供給網)でも起こりつつある。
山本氏は「今期はわが社も新車トラック3台の導入を予定しているが、塗装ができず納車時期は未定と言われた。燃料価格高騰だけでなく、物流事業の隅々までイラン情勢の影響が出始めている。今後の先行きが全く見通せない」と話している。(星野誠)
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25年4月より電子版利用料の引き下げ・新聞と電子版のセットプランを開始いたします
いつも『物流ニッポン』をご愛読いただき、誠にありがとうございます。
この度、2025年4月よりご要望の多かった新聞と電子版のセットプランをスタートさせます。
併せて、電子版を使いやすくするとともに、利用料を引き下げることにいたしました。
電子版セットプランは、紙の新聞に月額プラス1,100円(税込み)で新聞と電子版をご利用いただけます。
電子版は、従来の価格(月7,293円)より1,298円(税込み)お安くなり、閲覧可能な新聞を直近4号分(2週間)から8号分(1カ月分)へ拡大。
これまでより使いやすく、お得になります。
今後とも、物流ニッポンをよろしくお願いいたします。
<新料金 詳細>
電子版セットプラン 41,916円(6ヵ月) 下記内訳です
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電子版 6,600円 (うち 消費税600円 軽減税率10%)
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