日本郵便、熱中症対策、配達休止・時間変更を適用
日本郵便(小池信也社長、東京都千代田区)は、気象庁などから「熱中症特別警戒アラート」が発表された場合、社員を守るため、配達休止や配達時間の変更といった措置を新たに適用する。気温セ氏40度以上の酷暑日などには、気温の高い時間帯を避けて対応する。(田中信也)
同社はこれまでも、社員の安全と健康を最優先に熱中症対策に取り組んできた。例えば、熱中症予防のための装備品を着用することや、体調に異変を感じた場合、すぐに業務を中断し、涼しい場所に避難して水分などを補給することを励行してきたが、近年の猛暑の深刻化を踏まえ、配達、取り集め、集荷業務の運用を見直した。
熱中症特別警戒アラートなどが発表された場合、過去に例のない危険な暑さとなり、社員の健康に重大な被害が生じる恐れがあると判断。その地域では、二輪車、三輪車、自転車、台車徒歩による配達・収集・集荷業務を原則休止する。
また、気温がセ氏40度以上の酷暑日など郵便局長が危険と判断した場合は、自動車や二輪車などによる配達・収集・集荷業務について、気温の高い時間帯を避けて行う。
こうした対応により、時間帯指定を含む一部の郵便物・荷物の配達予定日時の遅れや指定時間帯に届けられない可能性がある。同社は「不便・迷惑をおかけするが、社員の安全確保と、安定した郵便・物流サービスを継続的に提供するための措置」として、顧客への理解を求めている。
そのほか、強い日差しから目を保護するために配達員がサングラスを着けたり、クールファンベストやネッククーラーなどを着用したりして作業することがあるとしている。また、こまめな水分補給のため、作業中に一時業務を中断し、コンビニエンスストアなどに立ち寄って休憩する場合がある。


「冷蔵品が黄色い液体に漬かっている」「尿のような臭いがする」。生活協同組合コープみらい(熊﨑伸理事長)が尿による荷物の汚損について謝罪したことで、ドライバーのトイレ問題が再燃している。荷物を汚したり立小便をしたりといった行為は非難されてしかるべきだが、運行スケジュールの過密さやトイレを利用できる場所の少なさという課題も抱えている。配送先でトイレを貸してもらえるよう働きかけるなど、運送業界は環境改善を急ぐ。(特別取材班)
4月末にコープみらいの組合員から荷物の汚損について連絡があり、調査したところ、配送委託先の従業員が、荷台内にあった廃棄予定の配送器材に排尿した事実を確認したという。
コープみらいは「食品安全、公衆衛生、コンプライアンス(法令順守)上の重大な問題と受け止めている。保健所をはじめとする関係機関への報告・対応を継続していく」とするおわび文を公表。
再発防止に向けて、食品安全・衛生管理教育の再徹底、労務環境の再点検に加え「配送業務中の生理現象への緊急対応について現状を把握し、配送ルート上のトイレの事前確認、情報共有、緊急時に立ち寄り可能な施設リストの整備・周知をはじめとする対策を迅速に講じる」としている。
ドライバーのトイレ問題は長年の懸案になっている。サービスエリアなどで大型車用の駐車スペースが満車になっていると、長時間停車できない。市街地でもトイレを利用できる機会は限られている。
トイレの利用が可能な場所を増やす必要がある。しかし、東京都トラック協会女性部(原玲子本部長)が2025年10月~26年1月に実施したアンケートでは「配送先の荷主から施設内トイレの利用が認められない」との意見が多く寄せられた。
阪南倉庫(堺市堺区)の堀畑浩重社長は「当社の倉庫ではトイレの使用を制限していないが、セキュリティーの取り決めにより貸せない施設もあるかもしれない」と防犯上のリスクを指摘。その上で「施設の外部にトイレを設けるなどして利用を認めている荷主のほうが好印象を持たれるのではないか。ドライバー不足の中で『あそこの倉庫に運びたい』と思ってもらえる価値は高い」と語る。
物流を支えるトラックドライバーのためのインフラ整備は社会全体の責任と考え、早急に取り組まなければならない。だからといって、立小便する姿がSNSで拡散されたり、尿入りペットボトルが道路に捨てられたりといったトラブルが相次ぐ現状も見過ごすことはできない。このままでは、運送業界の印象が著しく悪化し、ドライバー不足がさらに加速する可能性がある。業界は、この問題にどう向き合っているのか。
東京都トラック協会(水野功会長)は5月18日から、荷主施設内のトイレ利用への理解を求めるチラシをトラック・物流Gメンを通じて荷主や元請事業者などに配布している。
前述の女性部のアンケートをきっかけに、原本部長らが3月に関東運輸局を訪問。「トイレ問題はトラックドライバー全体の課題」と受け止められ、協力を得ることになった。
同氏は「トイレを貸してもらえないのは心ないのではという思いがあった」とし、コープみらいの件も「彼らの届け先となる住宅街もあまりトイレがなく、車を止めると違反切符を切られることもある。ドライバーは我慢の限界だったのではないだろうか」と解釈する。
車内に携帯トイレを備える動きも広がっている。薬師運送(鈴木一成社長、宮城県栗原市)では、アンケートで導入希望が多かったことから「災害用携帯トイレ」を全ドライバーに配布している。凝固剤を使用し、一般ゴミとして廃棄可能なタイプを選定した。
全ドライバーを対象に「携帯トイレの導入意向」についてアンケートを行った結果「雪道でのスタックで帰れないリスク」「緊急時のトイレ確保」などへの不安から、全体の8割が導入を希望した。
京都府トラック協会(平島竜二会長)も、2023年度から注意喚起のメッセージを記入した使い捨て簡易トイレを製作し、会員事業者に配布している。
尿意という生理現象の処理すら難しい状況では、ドライバーを志す求職者が増える未来は見通しにくい。トイレを利用しやすいインフラの整備が必要だが、一朝一夕にはいかない事情もある。運送業界全体で道路管理者、荷主などに理解を促しつつ、ドライバーへの指導・教育に力を入れるなど、地道な活動の継続も求められている。

国際エキスプレス、横浜港に物流拠点
国際エキスプレス(芳賀道社長、東京都品川区)は3日、横浜港・本牧地区に物流拠点「本牧ゲートウェイ」を竣工させた。8月ごろの本格稼働を予定しており、海上貨物や越境EC(電子商取引)貨物の取り扱い強化を図る。世界的な海上・航空貨物需要の急増とEC市場の成長を取り込む。アジア・米州・欧州を結ぶグローバル・サプライチェーン(供給網)の効率化とコンテナフレートステーション(CFS)貨物、輸出入貨物、越境EC(船便)の取り扱い強化を目指す。
敷地面積6900平方㍍、延べ床面積1万9700平方㍍で、地上5階建て。
CFS貨物・輸出入貨物・EC貨物を扱うドライ倉庫で、最先端の自動化仕分けシステムや5階への次世代マテハン設備の導入を予定しており、EC貨物対応を本格化させる。
横浜港の中心部に位置し、本牧ふ頭のBC、D突堤のコンテナターミナルに近接。東京を含む首都圏全域へのアクセスが良好な交通網を有する。
これまで同社は航空でEC貨物を中心に取り扱ってきた。新型コロナウイルス禍を契機に船便EC貨物の取り扱いを強化。本牧ゲートウェイは海上輸送・CFS貨物・輸出入貨物を担う海上・陸上結節の新拠点とする。
海上と陸上を結ぶ独自の物流ネットワークをさらに強化し、アジア・米州・欧州を結ぶグローバル・サプライチェーンの効率性向上を図る。本牧ゲートウェイを海上貨物事業の中核拠点に位置付け、越境ECや輸出入貨物の取り扱い拡大につなげる。(北原進之輔)
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このたび、物流ニッポンのホームページをリニューアル公開いたしました。
これまで2つに分かれていたホームページを1つに統合し、より分かりやすく、情報を探しやすい構成へと刷新しております。
また、紙面に掲載している記事を閲覧いただける数が大幅に増えました。
今後も利便性の向上と情報発信の充実に努めてまいりますので、ぜひご覧ください。 -
物流年鑑2023年度版 電子版の登録を2025/9/30をもって削除いたします。 2025/10/1より閲覧不可となりますこと、ご了承のほどよろしくお願いいたします。