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大阪シーリング印刷、道内輸送を拠点開設で効率化

大阪シーリング印刷(松口正社長、大阪市天王寺区)は、2022年に開設した生産拠点、DIGITAL PRINT BASE in Hokkaido(デジタルプリントベース、札幌市白石区)による道内輸送の効率化に成功している。大阪―北海道は受注から納品まで4、5日かかっていたが、拠点開設後は3日に短縮。物流効率化法(新物効法)の全面施行により、荷主の協力が重要な課題となる中、「持続可能な物流」の実現へ努力を惜しまない。
デジタルプリントベースは、同社で8番目となる生産拠点。デジタル印刷に特化しており、複製のため必要となる版の作成が必要ないため、資材調達の費用が少なく済む。以前は本州の工場でデジタル印刷を行っていたものの、輸送時のリードタイムが長くなりがちで、顧客からの至急の注文に対応できないなどの課題があった。開設からの4年で製造、物流の両面で軌道に乗り、着実に成果を上げているという。
同社はOSPホールディングス(松口社長、大阪市天王寺区)のグループ企業で、多種多様なシール、ラベル、パッケージフィルムを開発、販売している。華やかな見た目のパッケージ、ひと目で分かるラベリングなど、印刷技術は日常生活の至るところで使われる。また、法律で製品の原材料の表示が義務付けられていることも多く、シール・ラベルがなければ店頭で販売できないケースもある。経済を支えるために必要な製品を扱うからこそ、顧客にスムーズに届ける仕組みづくりが不可欠だ。
鍵弥正樹執行役員CLO(物流統括管理者)やOSPHDロジアナリティクス課の金岡恵子課長らを中心に、一層の物流の効率化を進めている。デジタルプリントベースでの成功事例を生かし、他の拠点での水平展開を図っていく方針だ。(黒須晃)

産業界、政府、地方自治体などは「水素大動脈構想」実現のための幹線道路への集中的な水素(FC)トラック投入に向け、商用車向けの水素ステーションの設置に対する支援、車両導入への予算措置などを視野に入れている。需要やランニングコストの不透明さ、車両への積載量の減少といった課題の解決に向け、自動車メーカー、インフラ(ステーション事業者=SS)、ユーザー(荷主・物流事業者)のそれぞれが主体的に取り組むことが求められる。(田中信也)
同構想は、国内外の環境変化や課題を踏まえつつ、水素・アンモニア社会の実現を加速させるため、官民一体で重点的に進める取り組みで、6月に国土交通省、環境省、資源エネルギー庁、日本自動車工業会(佐藤恒治会長)などの関係官民による水素大動脈構想実現会議が立ち上がった。
目下の取り組みとして、幹線道路への集中的なFC投入を目指し、モビリティワーキンググループ(WG)を設置。既存の会議体も活用し、SS・自動車メーカー・ユーザー事業者間で、今後の取り組みの具体化を議論する方向性を確認した。
9月3日の同WGの初会合では、エネ庁新エネルギー部の水素・アンモニア課と経済産業省製造産業局の自動車課が最近の政策動向を報告した。FCV(水素ガス自動車)の需要が見込まれ、地方自治体の積極的な取り組みがある「水素重点地域」として2025年5月に東京、福島、神奈川、愛知、兵庫、福岡の各都県を選定後、各地域でFCV導入に向けて具体的な検討・調整が進んできた。それを踏まえ、ユーザーの需要喚起や水素ステーションの用地選定などを進めていくために「必要な課題が見えてきた」と指摘した。
自動車メーカーは、需要やインフラ整備の見通しが不透明な中、量産・増産に向けた投資判断に踏み切ることが困難で、開発中の車両の仕様や量産台数などは個社の機密情報のため、ユーザーや自治体への情報提供も厳しい。一方、SSは、確実な需要(水素消費量)の見通しが立たなければ、新設・能力増強の投資決定はできない。現時点で調達価格の低減方策が限定的な中、水素販売価格の見通しを出すことは困難な状況にある。
荷主・物流事業者は、水素ステーションの立地や営業開始年度、その時点で供給される車両の詳細な情報(仕様や価格)、水素価格を含めたランニングコストの見通しが立たなければ、車両導入に向けた投資に踏み切れず、水素消費量や導入台数、導入時期に責任を持つことが難しい。
また、ステーションへの移動を含めた水素充てんに要する時間の確保や、車両1台当たりの積載量の減少を踏まえると「事業者がこれまでの車両運用を見直す必要性が生じることも、導入の判断が困難な一因」とみている。
こうした課題を解決するため、3者それぞれが主体的に取り組む必要性を強調した。
なお、会合では、自動車メーカー、石油元売り、ガス会社など11社が水素ステーションの本格整備を目的に設立した日本水素ステーションネットワーク(森裕貴社長、東京都千代田区)が、商用車向け水素ステーションの実現に向けた意見交換の状況を報告。27年3月をメドに基本合意を得て、愛知、福岡の2カ所を想定するステーションの具体的検討を進めていく方針などを説明した。

ヒューテックノオリン(安喰徹社長、東京都新宿区)、博多運輸(渡邊智大社長、福岡市博多区)、JR貨物、全国通運(吉澤淳社長、東京都中央区)は14日、ヒューテックノオリンのロゴをラッピングした31?冷凍コンテナを披露するセレモニーを東京貨物ターミナル駅(品川区)で開催した。博多運輸がレンタルしているコンテナ5個のうちの1個にデザインしたもので、関東と九州を結ぶルートで行っている冷凍食品のラウンド輸送で使用する。
テープカットに続いて、4社の社長があいさつし、鉄道輸送の意義などを強調した。
安喰社長が「この冷凍コンテナを最大限に活用し、冷凍食品向けの鉄道モーダルシフトを共同で推進していきたい。博多運輸との鉄道モーダルシフトの取り組みが始まったのは2024年。鉄道輸送はトラック輸送に比べCO2(二酸化炭素)の排出量を減らせる。輸送力不足への対策にも効果的で、ドライバーの拘束時間が大幅に削減される。持続可能な物流機能を提供し続けることで社会に貢献する」と述べた。
渡邊社長は「今回のプロジェクトは22年1月に安喰社長と初めてお会いしたのが始まり。冷凍コンテナによる鉄道輸送を提案し、挑戦することを決断していただいた。このコンテナには物流を変えていこうという挑戦する思いが込められていると感じる。ヒューテックノオリンと共にこの取り組みをしっかりと育てていく」と意気込みを表明。
JR貨物の犬飼新・社長は「持続可能な物流のさらなる推進の一助となることを期待している。しっかりと運ばせていただくことを誓う」とエールを送った。
吉澤社長も「温度管理ができる31?コンテナの保有は26年度末でおよそ70個となる。博多運輸には5個を貸している。温度管理輸送には積極的に力を入れていきたい。本案件は往復輸送であり、当社にとってもサステナブル(持続可能)。鉄道輸送の拡大に専心する」と激励した。
博多運輸、ヒューテックノオリン、JR貨物など6社は「冷凍31?コンテナ利用による環境に優しく持続可能な鉄道輸送へのモーダルシフト」を24年11月から関東と九州の間で開始。25年6月には日本物流団体連合会(長澤仁志会長)が選定した「物流環境大賞」の「サステナブル活動賞」を6社(他に日清製粉ウェルナ、ナカムラロジスティクス、ロイヤル)で共同受賞している。
ヒューテックノオリンは別の荷主の商品を対象に熊谷貨物ターミナル駅(埼玉県熊谷市)から九州に向かうルートでも25年から鉄道輸送を開始。冷凍31?コンテナによる関東から九州への鉄道輸送は現在、基本的に週3便の頻度で実施しており、1運行当たりのドライバーの拘束時間は13時間(休憩含む)の削減を見込んでいる。(澤田顕嗣)

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