吉田石油店、直取引むけ物流業務改善
吉田石油店(眞鍋和典社長、香川県三豊市)は、改正物流効率化法に基づく特定荷主として、インタンクを持つ運送会社など直取引を行う需要家向けの物流業務の改善に取り組んでいる。需要家の運送会社が着荷主となる特殊なケースだが、協力会社であるローリー輸送会社と連携を強化し、協力会社の積載率向上や荷役時間の短縮に協力していく方針だ。(江藤和博)
同社は、自ら運送会社と契約する第1種荷主としての年間取扱量が39万㌧、自社で運送会社と直接契約しない(メーカーが運送会社と契約して直営店舗に輸送するケースなど)第2種荷主の年間取扱量は43万6千㌧で、主体的に物流改善に取り組んでいるのは第1種荷主としての物流業務になる。改正物効法の施行に伴い、森徹取締役営業部長がCLO(物流統括管理者)に就任。業務部の藤田英樹業務課長代理が国への報告者として本社のオーダーセンターと連携しながら物流改善に着手している。
藤田氏が主に担当する四国エリアは協力ローリー輸送会社が5社で、吉田石油店も大型や小型のローリー車10台を保有。互いが連携しながら改善に取り組む。初回の中長期計画は10月中に策定・提出する段取りだ。
第1種荷主としての物流の基本的な流れは、運送会社など需要家からファクスで受注し、協力会社に配送を依頼。協力会社は吉田石油店直営の水出油槽所(三豊市詫間町)と相生油槽所(兵庫県相生市)へ引き取りに行き、需要家のインタンクまで輸送する。このうち、改善が求められるのは①油槽所での荷待ち時間短縮②協力会社の積載率向上③納品先での荷役時間の短縮――だが、自社油槽所では設備の不備などを早期に改善しており、長い荷待ち時間が発生していない。このため、協力会社の積載率向上と荷役時間短縮に重点的に取り組んでいる。
積載率向上に向けては、需要家にオーダー時間の順守を改めて求めるとともに、今年から配送時間のフリー化(「需要家の営業時間内に届けばいい」というように納品時間に幅を持たせる注文)への協力要請を強化。これまでも行ってきた取り組みだが、今回は書面や注文書でも協力を求めている。
藤田氏は「積載率向上と言っても、燃料は種類や比重によって積載できる量に限度があり、軽油だと16㌔リットル単車ローリーで14㌔まで。また、実際に積載率が上がったかどうかは協力会社でなければ正確には分からない。ただ、アンケートで改善状況を把握し、27年7月に提出する初回の定期報告に反映させたい」と話す。
一方の長い荷役時間は、主に納品先の事情で発生する。例えば、需要家が使用量を読み間違えてインタンクの受け入れ容量を超えて発注することがある。特に燃料高の昨今は発生しがちで、この場合は持ち帰り輸送が発生し、ドライバーには新たな引き取り先への配送などの手間がかかる。また、需要家側インタンク施設に不備などがあれば荷降ろしができなくなり、ドライバーの拘束時間は長くなる。
吉田石油店では四国の協力会社と納品先の状況について定期的に情報を交換し、需要家側のインタンク設備の不備などは吉田石油店の営業マンやドライバーが交換・改善を求めている。
藤田氏は「当社と協力会社が連携を密にし、互いがミスを防いで改善ができるのが当社の強み。ローリー車のドライバーは大型免許に加えて危険物取扱者の資格も必要で、一般貨物運送のように特定技能の外国人ドライバーを採用するのは難しい。かつては時間指定のオーダーにも応えられたが、今後はドライバー不足で厳しい状況だ。特定荷主として今後1年で方向性を見いだし、改善の精度を高めていきたい」と前向きな姿勢を見せる。
他の業界ではドライバーの待機時間短縮が実現しない一因として着荷主の理解不足が挙げられることが多いが、石油製品は運送会社が当の着荷主だ。燃料の安定供給のためにも協力は不可欠と言える。


幸運トラック、仮眠施設を本社敷地に設置
幸運トラック(藤野芳弘社長、長崎県大村市)は、トレーラハウス型の仮眠施設を本社敷地に設置し、ドライバーの快適な休憩時間・休息期間を後押ししている。さらに、運搬可能な仮設住宅として活用できることから災害発生時の備えにもなっている。
施設は、移設可能で高断熱・高耐震な建築物「スマートモデューロ」を手がける地元の事業者が施工。長さ12㍍、幅2・5㍍で個室5部屋を備える。各部屋にはベッドと机、エアコンを完備し、共用部分にはシャワーやトイレ、洗面台、洗濯機などを設置し、24時間利用できる。
本社が利用状況とカギを管理することでプライバシーに配慮。清潔な状態を保つため、使用後は毎回ベッドのシーツを取り換えるなど快適に使えるルールを設けている。
長距離輸送が主力の同社は、北は岩手県、南は熊本県と全国各地に拠点を持つ。これまで、トラックの車内で仮眠を取るドライバーが多く、長時間のアイドリング状態が続くことで、排気ガスによる環境問題や燃料消費によるコスト増加が課題だった。不足気味だったドライバー向けの仮眠施設をつくることで、働きやすい環境を整えるとともに、環境・コスト課題の解決につなげている。
2022年3月の運用開始以降、ほぼ毎日利用され、ドライバーからは「快適に眠れる」「気に入っている」など好評を得ている。遠方から通う従業員の通勤の負担が軽減されるなど時間管理にも効果を発揮している。
また、トレーラで運搬可能な特性から、災害発生時の仮設住宅や待機場所にもなる。7月28日に発生した熊本地震を含め、これまでの活用実績はないが、災害対策や危機管理につながるという。今後は、全国の営業所での設置も検討している。(園川萌子)

パナソニックEWとT2「自動運転トラで幹線輸送」、道路照明との協調検証
パナソニックエレクトリックワークス(パナソニックEW、大瀧清社長兼CEO=最高経営責任者、大阪府門真市)とT2(熊部雅友社長兼CEO、東京都千代田区)は8月25日、自動運転トラックと道路照明設備の協調の有効性を検証する国内初の共同実証を開始した、と発表した。
T2は、2027年度以降のレベル4(特定条件下での完全自動運転)トラックによる幹線輸送の開始と、30年代には2千台の運行を計画している。自動運転トラックの走行安定性向上には、車両に搭載したカメラをはじめとする各種センサーで周辺状況を認識するために高速道路の照明設備との協調が重要となる。この有効性を検証するため、パナソニックEWと連携し、トラックと道路照明設備の協調の実証に乗り出した。
パナソニックEWの既存の照明設備を使用し、T2の自動運転トラックに搭載のセンサーによる周辺状況認識に適するよう、明るさなどを独自に調整した結果、高速道路を夜間に走行する上で必要な白線の認識距離が2倍超になるとの結果が得られた。パナソニックEWは実証結果を基に新たに開発した照明設備を30年代をメドに高速道路に実装するため、T2との取り組みを進める。(田中信也)
政治・行政
団体
物流企業
荷主
テック・サービス
インフラ
人材
調査・統計
その他
物流ニッポンからのお知らせ
-
生成AI(人工知能)を社内業務で利用してきましたが、今後は記事の作成、新聞の制作などの報道領域でも活用します。ただし、AIは急速に発達する中、誤った情報を取り込んだり、著作権を侵害したりすることが確認され、一部で事件になり、社会問題化しています。このため、当面は定型的業務での限定的な利用にとどめます。
公開情報の活用は、AIの得意分野です。こうした部分ではAIを使って効率化し、記者は人にしかできない業務を行います。 公正中立で正確に伝え、読者から信頼を得ることは、物流ニッポン新聞社にとって最も重要です。AIの活用に当たっては、公開情報を基本として、記者が取材の中で取得した秘匿情報は使用しません。また、AIで整理した情報は、人の目による編集作業でチェックします。
AIがいくら進化しても、現場に行き、取材先や読者との信頼関係に基づいて情報を取得し、文章を通して伝えることは、人にしかできません。独自の視点を磨き、責任を持って報道していきます。 -
このたび、物流ニッポンのホームページをリニューアル公開いたしました。
これまで2つに分かれていたホームページを1つに統合し、より分かりやすく、情報を探しやすい構成へと刷新しております。
また、紙面に掲載している記事を閲覧いただける数が大幅に増えました。
今後も利便性の向上と情報発信の充実に努めてまいりますので、ぜひご覧ください。