プロロジス、自動倉庫共用設備に
プロロジス(山田御酒会長兼CEO=最高経営責任者、東京都千代田区)は、自動倉庫機能を共用インフラとして提供する次世代型物流施設「OMEGA」の開発に乗り出す。台湾を拠点にシンガポール、マレーシアなどでOMEGAを開発・運営してきたアリー・ロジスティク・プロパティー(ALP)と9月30日に基本合意書を締結。2027年初頭をめどに共同事業会社を設け、京都府京田辺市で第1号案件を開発する。同年末に着工し、30年ごろの竣工を目指す。(宮﨑茉里奈)
OMEGAは、数万パレット規模の保管能力を持つ自動倉庫機能を共用インフラとして提供する大規模マルチテナント(複数企業入居)型自動倉庫。施設中央部のパレット型自動倉庫とAGV(無人搬送車)などを組み合わせることで、パレットの保管や入出庫、搬送などの工程を自動化する。
一般的に自動倉庫は、荷主ごとのオペレーションや荷姿に応じた個別設計が必要になる。大規模な初期投資や、稼働までに期間を要することも課題となっており、個社の専用設備として導入されるケースが多かった。これに対してOMEGAは、通常の倉庫エリアと併せて共用の自動倉庫をサービスとして利用できる。入居企業は大規模な自動化設備を自ら保有せずに省人化や保管効率の向上を図れる。利用スペースやパレット数量も増減でき、繁閑による物量変動、事業拡大に対応しやすい。
高密度保管エリアと入居企業各社が使える作業スペースを一体化し、共同事業会社を通じて自動倉庫の稼働管理やメンテナンスも提供する。
第1号案件は、プロロジスが造成工事を進めるプロロジスパーク京田辺2(京田辺市)の開発用地で事業化する。9万5千平方㍍の土地に、高さ40㍍の多層階施設の建設を計画。稼働後は国内で同様の施設を展開する。さらに、プロロジスが世界20カ国で培った物流施設の開発・運営ノウハウを活用し、将来的には欧米市場への展開も視野に入れる。
ALPは、物流施設と大規模自動倉庫の一体的な企画、設計、設備統合、運営、保守のノウハウを提供。プロロジスは国内の事業基盤を生かし、用地確保や案件形成、設計、施工管理などを担う。日本の商慣習や物流ニーズに合わせ、施設仕様や料金体系、運営、メンテナンス体制を構築する。
共同事業会社の設立に向けた協議と並行し、日本市場に適した事業モデルの構築といった整備も進める。


コクヨは、同社最大規模となる延べ床面積4万5千平方㍍の「コクヨ新滋賀配送センター(仮)」(滋賀県愛荘町)の造成工事を開始した、と発表した。176億円を投資し、オフィス家具需要の拡大に対応する。2029年2月竣工、9月稼働の見込み。
26年9月24日に着工した。地上2階建てで、敷地面積が6万6千平方㍍。国道8号に隣接しており、本州の中央に物流ネットワークの基幹機能を設置することで、全国への安定供給体制を確立する。
トラックドライバーの拘束時間制限や労働力不足への対策として、拠点内の動線を工夫。広い荷さばきスペースを確保しつつ、大型トラックが直接、倉庫の2階にアクセスできる専用スロープなどを設置した低層構造を採用し、荷役作業の円滑化と荷待ち時間の削減を実現する。
また、環境対策にも注力。隣接する愛知川流域の生態系の継承を目指す「愛知川河畔林再生プロジェクト」に取り組む。地域に生息する希少種カヤネズミをはじめとする生物の生息環境の保全・創出に努めるとともに、太陽光発電などの環境配慮施策を導入する。
コクヨは「新センターの整備を通じて、持続可能なサプライチェーン(供給網)の構築を進めるとともに、地域社会・自然環境と調和した次世代型の物流拠点の在り方を追求していく」としている。(根来冬太)

物流のDX(デジタルトランスフォーメーション)に特化した展示会「物流DX EXPO2026夏」(産業DX総合展実行委員会)が9月30日~10月2日、東京ビッグサイトの東展示場(東京都江東区)の東7・8ホールで開催された。最新のサービスや製品の展示に加え、特別講演も実施。物流事業者のDX推進に向けた出展者と来場者のマッチングの機会になった。(菊池哲)
物流DX EXPOは「産業DX総合展」を構成する展示会の一つとして開催。物流以外に「小売・飲食店」「製造業」「建設・建築」「不動産」の展示会も同時に行われ、分野を超えた幅広い業種の企業が参加した。
ブースでは、AIを活用した事故防止や輸送業務の効率化につながるDXソリューション、さらに自動倉庫システムなど幅広い製品やサービスが出展された。
TUMIX(小久保輝夫社長、静岡市葵区)では、デジタルタコグラフや点呼システムと連携したドライバー評価システム「TUMIX人事評価」を紹介。ドラEVER(岡野照彦社長、東京都港区)は車両管理DXツール「運ソウル」をPRした。
さらに産業DX総合展全体で、3日間にわたり計40以上の講演会が開かれた。30日は国土交通省大臣官房技術調査課の西上康平課長補佐、法政大学デザイン工学部の今井龍一教授、デロイトトーマツの川西敦士シニアマネジャーが登壇。AIの空間認識による未来の社会インフラについて講演した。
また、2日はワンロジ(新宿区)の吉岡泰一郎社長とカーレントサービス(大田区)の保坂高広社長による運送事業者のM&A(合併・買収)をテーマとした対談も行われた。
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