サトウロジック、ネットゼロ実現めざす
半導体精密機器や食品包装容器の物流を主力事業とするサトウロジック(佐藤栄磨社長、熊本県大津町)は、再生可能エネルギーを活用し、2040年度までに温室効果ガス(GHG)の大幅削減を通して排出量実質ゼロ(ネットゼロ)実現を目指す。それに向け、定温物流センターの新設や電気トラックの導入、九州全域での共同配送システム拡充などを推進。佐藤社長は「38年3月期の売上高100億円達成に向け、今できることから最大限コミットし、地元の物流企業のトップ集団に入りたい」と成長戦略を描く。(武原顕)
26年3月31日、くまもと地域みらいエネルギー(佐々木周社長、益城町)と連携協定を締結。化石燃料から「再生可能エネルギー電力」への切り替えによる脱炭素社会の実現に向けた取り組みをスタートさせた。
くまもと地域みらいエネルギーは25年1月、熊本県、益城町などが進める脱炭素の国家的プロジェクト(PJ)「阿蘇くまもと空港周辺地域RE100年産業エリア創造」推進のため、県、同町、西部ガス熊本(堀之内浩社長、熊本市中央区)、肥後銀行などの出資で設立された。
熊本県の物流事業者としてこのPJに参画したのがサトウロジック。西部ガスホールディングスが供給したことを証明する再生可能エネルギー電力(Smart Green でんき)を、第5定温センター(倉庫面積1万平方㍍)、第6定温センター(9900平方㍍)で活用し、両センターで年間427㌧の二酸化炭素(CO2)排出量削減を図る。
同社の取り組みは、国際的な気候変動イニシアチブ「SBTi」(科学的根拠に基づく目標)に26年4月15日付で承認されている。24年を基準年とし、30年までにスコープ1(企業が自らの事業活動で直接排出するGHG排出量)とスコープ2(企業が外部から購入した際に間接的に排出されるGHG)の排出量を42%削減することを目標に掲げ、スコープ3(サプライチェーン=供給網=全体で発生するGHGの排出量)の測定、削減にも取り組む。
現在、ネットゼロの実現を加速させるため、大津町に第7定温物流センター(兼EV=電気自動車=共同配送センター、倉庫面積6700平方㍍)を建設しており、27年5月末に本稼働させる。再生可能エネルギーを供給する急速充電設備を備える。
これまで、90社余りのサプライヤーの協力を得て、簡易包装や無料貸し出しによる折り畳みコンテナ、ロール台車などを活用し、九州全域で展開する共配で環境負荷の低減に大きな成果を上げてきた。
長年にわたり、九州全域での共配の実績を持つ同社だが、今後は定温物流センターで再生可能エネルギーを積極的に活用する。充電設備もEVによる共配のラストワンマイルをカバーするために不可欠。EVの活用に特化した機能を持つ第7定温物流センターで電気トラックの導入を増やす計画だ。
26年5月8日、三菱ふそうトラック・バス(フランツィスカ・クスマノ社長兼CEO=最高経営責任者、川崎市中原区)の販売会社、九州ふそう(福岡市東区)の近藤恭彦社長らが出席し、小型電気トラック「eキャンター」(2㌧)3台の納車式が行われた。今後、ラストワンマイルの運行に活用するため、20台程度の導入を予定している。
これらの取り組みは、10年後を見据えた成長戦略の一環で、25年6月17日、中小企業庁の「中小企業成長加速化補助金」を活用し、38年3月期の売上高100億円達成を目標とする「100億円企業宣言」を表明した。
九州管内に集積する半導体関連企業とサプライヤー向けの高付加価値物流を提案し、売上高の年率17%の成長戦略を打ち出す。同社の26年3月期の売上高は22億3千万円(前の期比16%増)で、31年3月期に35億円規模に引き上げる。
「100億円企業宣言」を実現するには、半導体物流の共同配送の強化や持続可能な物流体系の構築、定温物流センターへの積極投資、簡易包装・通い箱やロール台車を使った環境に優しい物流サービスの提供が欠かせない、とみている。
さらに、福岡、熊本、鹿児島を中心としたハブ機能を有する物流センターの新増設、EV導入に伴うインフラの充実などクリアすべき課題は少なくない。目標達成に向け、若い世代に将来ビジョンを発信していくことが求められる。少子高齢化社会の中、人材確保を経営の最重要課題の一つに掲げる。従業員の待遇改善、福利厚生の充実など魅力ある職場づくりで企業イメージの向上に努める。


鴻池運輸は21日、サントリーホールディングス(鳥井信宏社長、大阪市北区)とダイキン工業の異業種製品を対象に、ダブル連結トラックによる往復輸送を25日から開始する、と発表した。
2024年7月に両社の製品を対象として往復輸送をスタートさせており、今回が第2弾となる。
今回は往路が群馬―京都でサントリーの酒類・清涼飲料水を輸送。復路はダイキン工業の空調製品の輸送を大阪―神奈川で行う。
これにより、年間で、トラック台数を250台、CO2(二酸化炭素)を140㌧、それぞれ削減。サプライチェーン(SC、供給網)の強化、ドライバー不足対策、労働環境改善につなげる。
鴻池運輸は昨年5月、ダブル連結トラックを導入。7月からサントリーグループの清涼飲料水を山梨―京都、ダイキン工業の空調製品を滋賀―神奈川でスタートさせている。(北原秀紀)

協和環境サービス「使用済み太陽光パネル」、中間処理・リサイクル進出
タイヨウ(山田秀平社長、札幌市厚別区)のグループ会社で産業廃棄物処分業などを手がける協和環境サービス(同)は、使用済み太陽光パネルの中間処理・リサイクル事業に進出している。江別市江別太地区の処分場に専用の設備を導入し、今春から稼働している。受け入れた太陽光パネルの93%をリサイクルできる。13日、事業開始に当たり安全祈願祭を開いた。(朽木崇洋)
太陽光発電設備の普及を踏まえ、今後需要が高まると見て進出を決めた。専用の設備で太陽光パネルを端子ボックスやアルミフレーム、バックシートに分解するほか、ガラスを破砕する。それぞれ製錬所などで処理され、金属資源やセメント原料、ガラスカレット原料としてリサイクルされる。リサイクルできない不純物混合ガラスも7%ほど出るため、同社で埋め立て処分する。
パネルの受け入れから中間処理、最終処分まで一貫対応し、1日200枚、4㌧を処理できる。道央圏中心に全道を対象エリアとし、解体業者に持ち込んでもらうのに加え、タイヨウの車両も活用する。道による補助事業に採択されており、投資額8千万円のおおむね半額を補助金で賄った。
安全祈願祭では、山田社長や重信秀俊会長、加藤博美常務のほか、江別太自治会の幅寺和博会長らが出席した。
山田氏は閉会後、施主としてあいさつし「2030年代後半には年間50万㌧の太陽光パネルが廃棄されるとのデータもあり、リサイクルに向けた機運が高まっている」と説明。「将来に向けてノウハウを蓄積し、社会に貢献していけるよう取り組む」と話した。
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