西濃運輸、千葉・市川の拠点完成
西濃運輸(髙橋智社長、岐阜県大垣市)は、千葉県市川市の旧市川支店跡地に建設していた新たな物流拠点を完成させた。浦安市に移転していた市川支店を再度移し、従来のトラックターミナル機能に加え、大型の物流倉庫を併設。同社が推進する「ロジ・トランス」機能を備える拠点として刷新した。施設内で荷物の保管から出荷までを完結させ、物流の効率化とコスト削減を図る。(木村玲哉)
24日に営業を開始。鉄骨造り5階建てで、延べ床面積は6万1千平方㍍。倉庫面積は4万平方㍍となり、同社保有の物流倉庫として初めて1万坪(3万3千平方㍍)を突破した。
首都高速道路湾岸線・千鳥町インターチェンジから5分の立地。首都圏だけでなく東京港や主要空港へのアクセスにも優れ、東京支店(東京都江東区)と併せて関東エリアの重要拠点とする。港に近いことから海上コンテナの取り扱い拡大も進める。
1階はターミナルで、2~5階が倉庫エリア。ドックレベラー13基と、トラック104台分のバースに加え、垂直搬送機と貨物用エレベーターをそれぞれ3台ずつ備える。支店としての機能は従来と変わらず、市川市、浦安市、東京都江戸川区、葛飾区が集配エリアとなり、車両は100台配置する。
倉庫を備えることで、トラックによる集荷業務を省略し、倉庫からの直接出荷を行えるようになる。荷主にとっては、リードタイムの短縮や出荷時間の削減につながり、同社も集荷にかかる走行距離の短縮やドライバーの拘束時間削減を実現できる。
また、全階に作業用空調を完備したほか、休憩室を各フロアに設けて就業環境の向上を図った。最寄り駅からの送迎バス運行など、安定した人材確保にも力を入れる。
今後も保管や輸送、物流改善に向けた提案を一体で提供するロジ・トランス拠点の展開を進め、顧客のサプライチェーン(供給網)最適化を推進する。


UD「ドラコン国内戦決勝」、運転・点検技能競う
UDトラックス(伊藤公一社長兼CEO=最高経営責任者、埼玉県上尾市)が21日に開催したトラクタドライバーコンテスト「THE ONE」の決勝で、柳井産業運輸の森本秀教選手(中四国リージョン代表)が優勝した。UDのエクスペリエンスセンター(同市)を会場に、5月の予選を勝ち抜いた6地区と地元販売会社の推薦枠の計7人の代表選手が運転技能と日常点検の技能を競い合った。(田中寛之)
UDは世界各国から選ばれたドライバーが出場する「UD エクストラマイルチャレンジ」を2015年から行ってきた。日本国内から参加する事業者の声を受け、エクストラマイルチャレンジの日本予選に代わり国内事業者のみで競うTHE ONEを25年12月に初開催。今回が2回目となる。
全国の直営販売会社などを通じて参加を募り、東北、関東、中部、近畿、中四国、九州の各リージョン(地域)ごとに5月にUDエクスペリエンスセンター予選を行い、各地区の優勝者が決勝へ進んだ。また、今回から初めて販売協力店からの推薦で5社が予選に参加。6地域に販売協力店推薦の「地元販売会社代表」の1枠を加え7人が決勝に駒を進めた。
競技に使用された車両は大型トラック「クオンGK」の4×2トラクタ。3軸のトレーラを取り付けた全長は15㍍になる。運転技能競技では10㌧の重りを積んで走行。車内にはカメラが搭載され、競技に挑む選手の表情が大型モニターで中継された。会場には、選手の家族や所属会社の社員が応援に駆け付け、スティックバルーンをたたいたり、寄せ書きを掲げたりして、声援を送った。夏休み期間中ということもあり、選手の子どもも会場に来て、真剣に競技に取り組む父親の姿を目に焼き付けた。
運転技能は1周1・1㌔の周回路を4周する中で、五つの課題を行う。坂道走行、一時停止、スラローム、駐車に加え、難易度が高いとされる「直線路」には手が加えられた。GPS(衛星利用測位システム)で走行速度が確認される中、制限時間もあり、更にはトレーラに積まれたボウルの中の水の残量でも審査された。直線路は、78㌢幅の隙間に車輪を通す課題。長さ2・1㍍の線上にテニスボールが15個配置され、正確な車両感覚が求められる。従来は1カ所だったが、今回から27㍍間隔で2カ所設置した。
日常点検は、国土交通省の日常点検表に記載される項目を基本に、独自項目を加えて実施した。用意された不具合箇所は八つで、制限時間は20分。確実な点検が行われているかを審査した。
試合後のインタビューで、優勝した森本氏は「UDの車両を使っていてもまだ出場していない事業者はたくさんある。多くの事業者が参加して業界を盛り上げるような大会になってほしい。普段、ドライバーとメーカーが直接コミュニケーションが取れる機会は少なく、距離感が近く感じる大会は貴重な場だと感じている」と話した。
今回優勝した森本氏と前回の優勝者である鈴与カーゴネット静岡の秋山和範選手は10月に開催される世界大会に日本代表として出場する。
他の入賞者は次の各選手。
2位=宮島渉(甲西陸運、近畿リージョン代表)▽3位=関功(日本液体運輸、関東リージョン代表)
〈審査員特別賞〉日常点検特別賞=竹原清志朗(中央ロジテック、中部リージョン代表)▽運転技能特別賞=菅原宏樹(藤田運輸興業、販売会社代表)▽同=板橋修弘(三陸輸送、東北リージョン代表)▽同=吉田伸一(東筑物流、九州リージョン代表)

KGL、労務・風土改善を推進
キリングループロジスティクス(KGL、小林信弥社長、東京都中野区)が社員の労務改善で成果を上げている。2024年12月に導入した、小学6年生までの子どもを持つ社員を対象とした短時間勤務制度は特に好評だという。26年6月は、女性活躍推進に関する取り組みが評価され「えるぼし認定(3段階目)」を取得した。誰もが働きやすい環境づくりを目指して労務・風土改善を進めている。
「人財」が挑戦・成長でき、生き生きと働ける組織づくりの実現を35年に目指す姿として、労務改善にアプローチしてきた。
短時間勤務制度は、対象が小学6年生までと、国が定める年齢上限である3歳未満を超えて運用している。小学生まで対象を拡大することで、夏休みなどで終業時刻より前に学童保育が閉まってしまう場合でも、迎えの時間を気にせずに仕事を続けられる。
さらに、女性社員を対象にキャリアアップの支援として「KGL Women’s College(KWC)」を24年4月に設立。年間を通して計6日間実施している。開校日は、管理職へのキャリアアップに向け、研修や外部講師を呼んでのセミナー受講などが1日を通して行われる。また、開校日以外にも外部のコンサルタントからコーチングを受けることができる。
また、育児休暇を取得中の社員が職場復帰しやすいような制度整備も進めている。休職中に使えるキャリアアップのための、オンラインで受講できる自己啓発セミナーを25年に開始した。これまでは、在職者のみの対象だったが、社員からの声を受けて育休取得者も対象とした。全てのセミナーを受講完了すると会社から補助を受けられる。
人事総務部人事総務担当兼多様性推進担当の川井真澄主任は「男性や女性、障がいを持っているといったことにかかわらず、だれもが働きやすい職場づくりを目指して多様性推進を行っている」と強調。
このほか、入社から3年以内のキャリア社員向けに、年2回の交流会を行っている。入社後研修などがある新卒社員と異なり、バラバラのタイミングで入社し、全国へ配属されるキャリア採用は顔合わせの機会が少なくなってしまう。交流会を行うことで、普段、メールなどでしか連絡を取り合わない社員と対面で交流し、定着率の向上にもつなげる狙いだ。
現在、女性社員は360人ほど。新卒採用では女性社員の比率が高まってきており、半数ほどを占めている。また、女性管理職の比率は15%程度で、今後は30%を目標に女性のキャリアアップ支援を進めていく。
人事総務部同担当の井山綾乃部長補佐は「これは自分個人の思いだが、現場で働いている女性も増えてきている。若い女性だと時短勤務を取ろうにも、現場によっては周りにモデルケースがおらず悩んでいるかもしれない。そういう方にも今後、働きやすく感じてもらうために制度や施策を考えていきたい」と意欲を示す。(加藤紀之介)
政治・行政
団体
物流企業
荷主
テック・サービス
インフラ
人材
調査・統計
その他
物流ニッポンからのお知らせ
-
生成AI(人工知能)を社内業務で利用してきましたが、今後は記事の作成、新聞の制作などの報道領域でも活用します。ただし、AIは急速に発達する中、誤った情報を取り込んだり、著作権を侵害したりすることが確認され、一部で事件になり、社会問題化しています。このため、当面は定型的業務での限定的な利用にとどめます。
公開情報の活用は、AIの得意分野です。こうした部分ではAIを使って効率化し、記者は人にしかできない業務を行います。 公正中立で正確に伝え、読者から信頼を得ることは、物流ニッポン新聞社にとって最も重要です。AIの活用に当たっては、公開情報を基本として、記者が取材の中で取得した秘匿情報は使用しません。また、AIで整理した情報は、人の目による編集作業でチェックします。
AIがいくら進化しても、現場に行き、取材先や読者との信頼関係に基づいて情報を取得し、文章を通して伝えることは、人にしかできません。独自の視点を磨き、責任を持って報道していきます。 -
このたび、物流ニッポンのホームページをリニューアル公開いたしました。
これまで2つに分かれていたホームページを1つに統合し、より分かりやすく、情報を探しやすい構成へと刷新しております。
また、紙面に掲載している記事を閲覧いただける数が大幅に増えました。
今後も利便性の向上と情報発信の充実に努めてまいりますので、ぜひご覧ください。