【主張】真のパートナーシップ考えよ

長年の不摂生がたたったのか、人生初の入院生活を経験した。 その間、5日ほどは絶食で過ごさねばならず、普通に食事ができるありがたさが身に染みた。

長年の不摂生がたたったのか、人生初の入院生活を経験した。 その間、5日ほどは絶食で過ごさねばならず、普通に食事ができるありがたさが身に染みた。

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当たり前に身の回りにある日常が突然変わってしまうと、人間はどれほど困ることか。 国民生活や産業を支える物流も、まさにそうした存在にもかかわらず、現実に消えてしまうことはまずないから、そのありがたみに気付く機会はなかなかないと言ってよい。 トラック輸送に限っても、輸配送が止まると店頭から生活物資はことごとく消え、医薬品も届かず医療も機能しない。 単にモノが届かなくなるだけではない。

水道、ガス、電気といったインフラも止まってしまう。 エネルギーの供給が途絶えると情報は届かず、安全で安心な生活に不可欠な警察や消防も活動できない。 人気漫画「ドラえもん」で、ドラえもんの四次元ポケットから次々と繰り出される「ひみつ道具」の一つに「ありがたみわかり機」というのがある。 ありがたみを実感してみたいモノの名前を言ってボタンを押すと、そのモノは身の回りから一時的に消えてなくなるというものだ。

軽油引取税の暫定税率分17円10銭の撤廃を4月に控え、激変緩和のための補助金が増額され、軽油価格は下がった。 運送事業者から歓迎の声が上がる一方、荷主がこれを口実に運賃値下げを迫るケースも出ている。 「『2024年問題』と騒がれたが、物流は全然混乱していないではないか」と、平然と言い放つ荷主もいまだに存在する。 こうした荷主は、「物流」と言ってありがたみわかり機のボタンを押したらどうなるか、本気で想像してもらいたい。

サプライチェーン(供給網)が断たれ、商品は製造も出荷も入出庫もできない。 「そんなこと、あるわけがない」と言い切れるのは、物流を日々懸命に担ってくれる人々がいるからだ。 それは顧客と取引業者といった単純な関係ではないはずだ。 物流は多くの人々の努力と、手から手への心を込めたリレーによって成り立っている。 そのありがたみをかみ締め、真のパートナーシップとは何か、改めて真剣に考えるべきだ。 (小菓史和)