成田と言えば、新勝寺。空海を始祖とし、1080年余りの歴史を誇る大本山だ。交通安全祈願でも有名で、成田空港も開港以来大変お世話になり、折々に御護摩祈祷(きとう)をしていただいている。
そういったご縁の中で、節分会に招待いただいた。「成田屋」の屋号を持つ歌舞伎の市川團十郎、今年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」の俳優、大相撲の力士たちに交じり、境内で豆をまくという名誉な役割だ。直前にシンガポールへの出張が入っていたが、夜行便でとんぼ返りし、参加した。
控室で、背広の上から裃(かみしも)と袴(はかま)を着付けてもらい、足袋を履く。「馬子にも衣装」で、気が引き締まる。外へ出ると、黒山の人だかりだ。出待ちの人は午前5時から並んでいるとのこと。黄色い声援が飛ぶ中、堂々たる体格の横綱や、美男美女ぞろいの俳優に続いて本堂へ向かう。
管主の御祈祷の後、一升枡(ます)が渡され、堂内で豆をまく。管主に豆が当たりそうでひやひやした。磨き上げられた堂内の床が見る間に豆だらけになると、次は外で参詣者の方々への豆まきだ。
抜けるような青空の下、ステージの両側は文字通り人で埋め尽くされている。今度は豆はビニールの小袋に小分けされている。2分間になるべくたくさん、遠くへまくべしというアドバイスの実践に努めたが、近くで手を伸ばしている人たちもいて、なかなか難しい。
成田山は「鬼は外」と言わず「福は内」のみの掛け声だ。一人でも多くの方に幸せが届くことを願うとともに、改めて日本の伝統と四季のすばらしさを感じる一日となった。