【ちょっといっぷく】キユーソー流通システム相談役 西尾 秀明氏、ありがとうは潤滑油

最近流れていたCMで、関西人は「ありがとう」を口癖のように発すると言われている。その言葉は、明るく軽やかでまるであいさつのようで、ストレス増加やハラスメント時代と言われ課題が山積する中、相手を笑顔に元気にする関西人の気質が、日本中に、世界中に広がれば、すばらしい世の中につながると伝えたものだ。
 私の社会人スタートは関西だ。その当時の関西のイメージは「吉本新喜劇」「どてらい男(やつ)」で、多くの商売人がひしめくところで商いの基礎を学ぶには最適な場所だと思った。
 まだ関西弁が全国区とはいえなかった頃で、テレビもラジオも全てが漫才を聞いているような感覚を覚えた。喫茶店に入っても大声で話す人ばかりで、最初は本当にうるさい人種の集まりだなと感じたものだ。
 しかし時が経つにつれ、その環境にも慣れ、当初は嫌だなと思った事柄一つひとつが、とても合理的で人付き合いもフレンドリーで温かみを感じるようになった。
 例えば朝昼晩いつでもあいさつは「まいど」の一言でよかった。まさに商いの町ならではだ。
 入社10年目に福岡に転勤したが、ある時喫茶店で同僚から「礼儀正しいですね」と褒められたことがある。「何が礼儀正しいの」と聞いたら「水が出てきても、おしぼりが出てきても、コーヒーが出てきても、そのたびに『ありがとう!』と言ってますよね」と言われた記憶がある。
 九州人の私が10年の関西暮らしで知らぬ間に身に付けた最高の習慣だと、関西に感謝したい。