2025年流行語大賞の「働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」で、「働き方改革」への関心が再び高まっている。19年に「働き方改革関連法」が制定されて以降、大企業から順次、時間外労働の上限規制が適用され、1年猶予で中小企業、5年の猶予期間を経て自動車運転業務を含む4業種にも広がった。しかし、現場ではいまだに改革途上にあると感じる人も多いのではないだろうか。
そんな中、40年ぶりと言われる労働基準法の大規模改正が議論されている。改正案では、連続勤務の上限規制や法定休日の明確化、勤務間インターバル制度の義務化、年次有給休暇の賃金計算方法の統一など、多様な働き方対応への項目が盛り込まれる。中でも私が注目するのが「つながらない権利」の確立だ。
新型コロナウイルス禍で普及したテレワークは、家庭と職場、私生活と仕事の境界をあいまいにし、深夜のメール送信など労働時間管理までをも不明瞭にした。デジタル化が進む現代社会で、働く人の健康やワークライフバランスを守るには、仕事に縛られず、休息時間を確保できる環境づくりが求められる。勤務時間外や休日にまで及ぶ仕事に関する電話、メール、チャットなどへの対応を拒否できる「つながらない権利」の確立が必要だ。
社会が健やかに成長し続けるには、この権利は働く人だけでなく管理職や商慣習にも広げ、社会全体で考える必要がある。ふと「ポケベル」を持たされた時代を思い出した。集団に所属していても「個の権利」を守る意識はますます高まり、重要となるだろう。