【ちょっといっぷく】東京都トラック協会会長 水野 功氏、財源なき減税と責任

衆院選挙が2月に行われ、自民党の記録的な大勝となった一方で、選挙前に急きょできた中道改革連合は旧立憲民主党の一人負けとなった。枝野幸男、安住淳の両氏はじめ大物議員も議席を失った。準備不足もあるが、政策のアピールに欠け、自民党の批判が多く、有権者に訴える点が曖昧だったと感じている。
 与野党問わず、消費税の撤廃や食料品の消費税の廃止など聞こえがいい政策が並んだ。唯一、チームみらいのみが消費税据え置き、社会保険料の引き下げなどを掲げ、11議席を獲得した。
 自民党の公約は責任ある積極財政を掲げ、食料品を2年間消費税の対象としないとした。どの政党からも減税の財源について明確な説明が聞けなかった。
 仮に食料品への消費税を停止すると約4兆円の財源が減少する。これは消費税の1・5%分に相当する。うち国への影響は約3兆円、地方財政への影響は1兆円弱となる。
 マーケットの目が光る中、安易に国債に頼れば一気に円安に向かうのは明白。短期的にGDP(国内総生産)を0・3%から0・5%前後押し上げるとされているが、長期的には財源次第で評価は分かれそうだ。政府債務の総額は2025年度末には1450兆円に上ると見込まれている。
 財政の硬直化が進む中で政策の選択肢は年々狭まっている。政府債務総額は12年の安倍内閣発足時に約1130兆円であり、この13年間で約300兆円増加している。後世への負担がこれ以上膨らむことのない、責任ある政治を期待している。