【ちょっといっぷく】押入れ産業社長 森田 浩史氏、会社に骨をうずめる

米映画会社の日本法人を退職した後は、外資系企業を渡り歩いた。50歳手前でCOO(最高執行責任者)の役職を得た。これまで浮き沈みの激しい人生だったが、ここでも大きな事件が起きた。
 CEO(最高経営責任者)が突然解任された。加えて、私も解任の憂き目にあった。クビである。初めての経験だった。もめ事は好きではないので言われるまま会社を去った。どうにかなるだろう。しかし、リーマン・ショック直後。次が決まらず1年間無職だった。家内は取り乱すことなく支えてくれた。感謝しかない。
 その後、コンサルティング業で独立する決意をした。幸い、声をかけてくれた会社に常駐の職を得た。私の性分に合っていた。いろいろな会社で働いた経験は、コンサルという立ち位置で意見を取り入れてもらえたからだ。
 数年後、またもや1通のメールで人生が変わる。差出人は会ったこともない人材会社だった。興味本位で面接に臨んだ。2時間ほど、ほぼ雑談だった気がするが、最後に社長から「森田さん、この会社に骨をうずめてはどうか」というセリフにやられた。今まで多くの経営者と会ってきたが、こんな温かみのある人は初めてだった。
 またもや即決。個人事業主からサラリーマンに戻ったわけだ。ちょうど還暦を迎えた年。そこは、今まさに社長として働く押入れ産業だった。
 11回にわたるコラムの掲載もこれが最終回。自叙伝というと大げさだが、自身を振り返り書かせていただいた。最後にこのような機会をいただいた物流ニッポン新聞社様、ありがとうございました。