【主張】物流業界 より一層の効率化を

当然の話で恐縮だが、物流業界で「効率化」の重要性が一層増している。4月からの総合物流施策大綱には「徹底的な物流効率化」が柱の一つとして明記される。これまで散々指摘されたことが「徹底的に」と改めて示されるのは、業界にはまだまだ取り組む余地が大きいことの表れ。どこかに無駄を省ける点がないか、まねできる効率化の事例はないか、いま一度自社の身の回りを点検する必要がある。
 全国的な点呼の未実施や記録簿の改ざんを受け、日本郵便に下された行政処分の大きさは、業界内外にインパクトを与えた。一般貨物自動車運送事業の許可取り消しに加え、軽貨物車両の使用停止処分は計3333台に及んだ。15万5千日車という総日車数を見ても、前例のない大規模な処分だったことが分かる。
 しかし、大きな混乱はみられなかった。軽貨物車両は既に処分期間が過ぎているケースもあるが、最繁忙期の年末でも問題はなかったという。
 同社は、グループ会社や同業他社への委託に加え、マッチングシステムの活用などで対応したという。自助努力の結果と言えるが、処分の規模を踏まえた上で、意地悪な見方をすると「そもそも従来の車両数は適正だったのか」との疑問も浮かぶ。
 もちろん、委託によるコストアップなど業績へのマイナス面は出ている。ユニバーサルサービスを維持するため、全社一丸で必死に取り組んだ部分も大きいだろう。しかし今回の件で、自社の物流インフラの最適化に向けたヒントもあったのではないか。
 「2024年問題」を契機に、業界に対する社会の関心は高まり、もはや物流はあらゆる業種や生活の中で無視できないテーマだ。最近でも、花き物流の効率化に向けて物流事業者を中心とした全国団体が設立。物流維持を危惧したり、実際に対策に乗り出したりする業界や事業者は今後も出てくるだろう。
 新たな物流大綱の柱には「徹底的な物流効率化」と明記される。強いメッセージで業界内外にその必要性を打ち出し、一層の取り組みの喚起につなげてほしい。事業者側も、自社での効率化や他社との連携などを積極的に進める姿勢が一段と求められる。(土屋太朗)