神奈川県警交通機動隊の巡査部長ら7人が、速度違反などの取り締まりで不正を行っていた疑いで書類送検された。県警は2700件の交通違反を取り消した上で、3400万円の反則金を返還するとしているが、同様の不祥事は以前から全国の警察で起こっている。
福岡県警では2023年、交通違反10件について虚偽の書類を作成していた。20年には北海道警で速度違反のデータ偽造があり、12年に栃木県警でも、取り締まった4千件の違反が誤りだったことが明るみに出た。これらを踏まえると、各警察組織に共通した根深い問題があると考えざるを得ない。
背景にあるのは、違反を認定した数で警察官が評価される「成果主義」ではないか。民間企業の営業成績ならいざ知らず、警察官が表彰や昇進のため意図的に違反者を増やしているとしたら、交通違反取り締まりへの信頼性が大きく揺らいでくる。
高速道路では、一般車両を装った「覆面パトカー」が走っている。もしスピード違反を未然に防ぎたいなら、白黒ツートンのパトカーが堂々と赤色灯を回して走ったほうが、ドライバーは警戒するため抑止効果は高いはずだ。
身近な生活道路でも、ドライバーの視野に入りにくい場所にパトカーや白バイを止め、一時停止や歩行者優先の違反者を待ち伏せしていることがある。運転席から見える位置に警察がいれば防げるのに隠れているのは、違反者が出ないと困るためだろうか。
交通違反の取り締まりに、いわゆる「見せしめ」の効果があることは否定しないが、違反を起こさせないのではなく、違反キップを切ることが目的化しているとしたら本末転倒だ。
交通違反を犯して罰せられるのは当然のことだが、トラックなどの職業ドライバーは、交通違反で免許停止や取り消しになると生活が成り立たない。警察の取り締まりも厳正かつ誠実に行ってほしい。
警察庁は、違反者から要求があればドライブレコーダーの映像確認を指示するなど再発防止策を打ち出しているが、組織の在り方にも問題はなかったか。外部の有識者なども入れて徹底的に検証してもらいたい。(星野誠)