【ちょっといっぷく】フリーライター 橋本 愛喜氏、懲役20年の「衝撃」を

群馬県伊勢崎市でトラックを飲酒運転し、家族3人を死亡させた罪などに問われている事件の裁判について、私が傍聴した様子を2月28日付の物流ニッポンさんが掲載してくれた。SNSでも「『危険運転で懲役20年』、トラック業界に衝撃」という見出しで紹介された。これに対し「何が衝撃だ。飲酒運転がダメなのは当たり前」「全然衝撃じゃない。判決はむしろ軽すぎる」というコメントが相次いだ。「衝撃じゃない」「重くない」――。いかにこの業界が飲酒運転を軽視しているかが分かる。
 「危険運転致死罪」の上限は懲役20年。同事件では、当初検察が「過失運転致死罪」を適用するも、遺族の署名活動の末、より重い「危険運転致死罪」に訴因変更された。さらに刑事裁判では求刑の「8掛け」が相場だ。
 1999年の東名高速道路でトラックを飲酒運転し、女児2人を焼死させた事件でも、過失運転致死の上限5年の求刑に、判決は4年。伊勢崎の事件では求刑通り20年の判決が出た。道交法の最高刑。衝撃以外の何ものでもない。
 SNSでは「20年じゃ軽すぎる」との声も多かった。3人死亡という結果からすると、そう思う。ただ、そう思うなら、なぜ過失致死4年の判決の頃から今まで、現場人として法改正の運動をしなかったのか。なぜ遺族にさせ続けるのか。
 伊勢崎の事件の裁判では、東名高速の事件ほか、複数の飲酒運転被害者遺族らが傍聴席から見守っていた。彼らの戦いを「軽い」という言葉で片付けず、「衝撃」を感じられるようになってもらいたい。