成田空港の利用者は年間約4千万人、輸出入額では海港を上回り日本最大だ。多くのヒトとモノが行き交う中で、不正に目を光らせる最前線の一つである税関の現場を見学する機会を得た。
禁止薬物の持ち込みが後を絶たない。ビニールの袋詰めを堂々とかばんに入れ持ち込もうというやからがいる一方で、スーツケースを二重底にしたり、布にしみこませたり、手口は多様。カプセルを飲み込んだり、体腔(たいこう)に入れたりして通り抜けようとする者については、病院でレントゲンを撮り証拠を固めるなど、大変な苦労があるようだ。
荷物・貨物のチェックには、麻薬探知犬が活躍している。手荷物の引き取り場所では人懐こいラブラドール、バックヤードではこわもてのシェパードというのが面白い。きちんと働いてもらうには、薬物を見つけた際に褒めて遊んであげることが重要だという。人間も同じかもしれない。
密輸されたゴールドを国内で仕入れたと偽って、再び海外に持ち出し消費税の還付を求めるケースも問題になっている。先日、羽田空港で話題となった多額の現金の海外への持ち出しもこのような活動につながっている懸念がある。何度も成田と海外を往復している者を特定し、チェックを強めている。
ECが拡大する中で、日本製品の粗悪な模倣品の輸入にも目を光らせている。差し押さえられた浄水器のキットや立体シールの段ボールが事務所に山積みにされていた。
税関の仕事は24時間365日。このような努力の下に航空輸送が支えられていることに改めて感謝したい。