【主張】不公正な軽油取引 改善すべき

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃に端を発した中東情勢の悪化は、ガソリンや軽油の国内供給にも大きな影響を及ぼしている。
 中東から日本への原油輸入量の大幅な減少が懸念され、代替の調達先やルート確保なども検討されているが、現時点では有効な解決策を打ち出すまでには至っていない。
 こうした中、石油元売り各社は、ガソリンや軽油の出荷規制の方針を示し、石油を販売するフリート各社も取引先に供給制限を通知。特に、利用量の少ないトラック運送事業者にその影響が及んでいる。
 SNSなどで積極的に物流問題を発信するトラック事業者の経営者は、自身のⅩ(旧ツイッター)アカウントで「インタンク(自家用給油所)に入れてもらえない運送会社も出てきているとのこと。これは深刻」と投稿。その中で、出荷規制の方針が事業者や協同組合のインタンクへの供給制限につながっている状況を報じた『物流ニッポン』の3月17日付の紙面を紹介した。
 この投稿は反響が大きく、業界関係者以外からは「インタンク」の存在への関心が示された。
 一般メディアの報道は、サービスステーション(SS)の「レギュラー220円」の価格看板や、値上がり前夜のSSの給油待ちの車の列など民生用のガソリン供給に偏っている。思わぬ形でインタンクへの供給問題がSNSで紹介されたことは、過度な供給制限が物流機能の停止につながりかねない深刻な問題だと知らしめる良いきっかけとなったのではないか。
 一方、軽油の出荷規制について取材を進めると「販売制限は行わないと説明を受けている」「インタンクの供給は制限しないと約束された」との声も少なくない。軽油の国内在庫は4カ月分と余裕を持って維持されている。燃料不足が叫ばれる中、元売りやフリートによる過度な出し惜しみ、売り惜しみを懸念し、政府は情報提供窓口を設置した。
 全日本トラック協会は27日に緊急の燃料高騰危機突破大会を開く。政治・行政への政策要望を行うことは当然だが、物流危機につながりかねない不公正かつ不透明な取引の実態改善も訴えるべきだろう。(田中信也)