同じ部署に同姓が入社してから早一年がたとうとしている。日本で4番目に多い姓のため、学生時代は同姓が必ずいた。高校1年時は自分も含め3人。授業中、「田中!」と当てられ、「俺?」と戸惑った経験は一度や二度ではない。
ところが、社会人は30年以上になるが、不思議と同じ部署や職場での「被り」がこれまでほとんどなかった。唯一、短い期間だが同じフロアに同姓の女性が在籍していた。建設の専門新聞で、地方自治体の公共工事などの記者をしていた頃だ。
当時、公共工事の入札結果は、パート社員が市役所や県の出先機関で情報を集めていた。自分の担当地域のパートの女性が入札結果を電話で連絡した際、「同じ職場で共働きで大変ね」と、夫婦と勘違いされ、妙な同情をされた。
今度は同性の同姓。年齢差があるとは言え、「さん」「くん」で呼び分ける時代でもない。下の名前で呼ばれるのも気恥ずかしい。1号、2号では仮面ライダーだ。
以前、ラジオに出演した時「タナシンさん」と呼ばれていた。そう呼んでもらおうとも思っていたが、自分からは言い出せないままだ。(田中信也)