成田空港のA滑走路の南端に、「空と大地の歴史館」という施設がある。この地に新空港を建設する計画が持ち上がった1960年代から78年の開港に至るまでの「成田闘争」、90年代の国と反対派の間の第三者を交えた話し合いを踏まえた2000年代のB滑走路の供用、その後の地域と空港の共生・共栄の歩みを展示する空港会社の施設だ。
地元の方々からご提供いただいたヘルメット、のぼりなどの実物や、映像などを交え、幅広い世代に関心を持って見てもらえるよう工夫している。各地の公共施設の整備に携わる方々が訪れ、地元との丁寧な話し合いの重要性を改めて認識したというお声をいただいている。
成田空港については、18年にB滑走路の延伸と新たなC滑走路の整備について地元自治体と合意がなされ、その後、空港会社は400回を超える地元説明会などを行い、地権者の方々との交渉を進めてきた。その結果を踏まえ、今年4月に地元自治体に対して①B滑走路についてはほぼ土地が取得できたことから、29年度内の供用を目指すこと②C滑走路区域については土地の取得が約9割にとどまることから、任意取得の実現に向けて最大限の努力を行うとともに、土地収用制度の活用について関係者間の議論を求めていくこと――を説明した。地元との共生・共栄という学びを決して忘れることなく、引き続き努力していきたい。
歴史館は、成田空港からバスで15分。『成田空港秘話』(大和田武士著、朝日新聞出版、2026年)もご一読を。