国土交通省は、ドライバー不足に対応して物流の効率化を促すため、トラックの中継輸送の普及に注力している。物流効率化法(新物効法)の改正案では、中継輸送拠点としての施設整備に対し、固定資産税などの課税特例や資金の出資・貸し付け、運行経費の支援といった措置を規定する。
国会での審議入りを前に、金子恭之国交相が東京都大田区の京浜トラックターミナル(TT)を視察した。中継輸送拠点に必要な施設要件を検討するためだ。視察を踏まえ、金子氏は、荷さばき場や荷物をリレーした後の帰り荷を確保するための一時保管施設、さらには待機するドライバー用の休憩・宿泊施設も整備することが「極めて有効」として、全国的な拠点の展開に意欲を示した。
ただ、多くの読者がご存知の通り、京浜TTは日本屈指のトラックターミナルで、このレベルはもちろん、これに準じる公共トラックターミナルは全国でも限られている。その上、全国最大の消費地である東京の中継拠点は制度の本筋からやや外れており、モデルケースとして適切とは言えない。
また、ドライバーが休憩・仮眠を取れる施設としてトラックステーション(TS)もあるが、利用数の減少や施設の老朽化などを理由に閉鎖が相次いでいる。
こうした中、TSの利用減少の一因でもあり、全国津々浦々にある道の駅の活用に目を向けるべきだ。当欄で以前、全国の物流の要所に、入浴・仮眠施設、食堂を備えた「物流道の駅」の制度化を提案した。北海道名寄市は、道の駅を中継拠点として活用するための実証実験を行ったことがある。しかし、取り組みが全国に広がっているとは言い難い。
国交省道路局は、道の駅を地方創生・観光の拠点とするための施策に力を入れているが、中継拠点としての絶好のアセット(資産)であるにもかかわらず、物流での活用には目を向けていない。
トラックの運行形態やドライバーの働き方を大きく変えることを目指す中継輸送の普及は、国策と言っても過言ではない。部局はもちろん省庁・官民の壁を越えて取り組むべきではないか。(田中信也)