【主張】那覇港シャシー置き場 対策を

インバウンド(訪日外国人)や国内旅行の需要回復で、沖縄県経済は上向きつつある。しかし、県物流の8割を支える要衝の那覇港では、トレーラのシャシー置き場の不足という長年の課題が放置されたままだ。物流なくして経済成長は望めない。官民が一丸となり早急に対策を講じるべきだ。
 コンテナ輸送の拡大で荷役の主役となったトレーラのシャシーを、港近くに置く場所が決定的に不足し、物流の効率を著しく損なっている。沖縄県トラック協会が2025年10、11月、シャシーを保有する会員153社を対象に行ったアンケートでは、回答した56社のうち39社が「那覇港内への借用を希望する」と答え、希望台数は千台に上った。「平置きで収容するには4㌶の用地が必要だ」。沖ト協は25年11月、那覇港管理組合議会・港湾調査研究特別委員会に参考人招致され、こう訴えた。
 こうした地道な取り組みが、ようやく政策の入り口に届きつつある。26年4月に開かれた那覇港管理組合議会議員との那覇港・物流政策懇談会では、議員側から、行政として優先的に解決すべきとする意見が相次いだ。懇談会のメンバーには、自民党沖縄県連の西銘啓史郎幹事長や仲村家治政調会長も名を連ね、議論は着実に前進している。今後、シャシー置き場整備の実現に向け、協議を深める方針だ。
 一方、見過ごせない課題もある。那覇港の既存のシャシー置き場は特定の事業者が借用し、空き状況や募集情報が公開されていないと感じる企業は多い。中小零細のトラック事業者は個別に借用できないのが実情だ。港湾スペースは公共の資産。企業規模を問わず公平に利用できるよう、透明性ある仕組みを望みたい。
 那覇港周辺の港湾整備は、那覇軍港やキャンプ・キンザーの返還・跡地利用と一体で構想すべき数十年単位の課題となっている。今の選択が将来の沖縄の物流を左右する。シャシー置き場の確保は、コスト削減や輸送効率の向上につながり、県民生活全体に直接の利益をもたらす。国、県、那覇市、浦添市と物流事業者が連携し、整備を具体化させる時が来ている。(上田慎二)