【主張】物流業界にも大きなチャンス

取材で、高校・大学の進路担当と倉庫会社の採用担当者との意見交換を聴く機会に恵まれた。倉庫の施設見学と併せて行われ、就職する側と受け入れる側のそれぞれの考え方を知ることができたのだが、物流業界にもチャンスがあると分かった。
 倉庫業のイメージについて、学校関係者は荷物の保管やフォークリフトで荷さばきをする光景は思い描けるものの、さらに踏み込んだ内容を想像できないとのことだった。義務教育に加えて高校でも社会科や商業科の授業で物流を学ぶそうだが、同席していた社会科の教師は「施設を見学するまで、倉庫業の具体的なイメージが湧かなかった」と話していた。
 生徒・学生はメディアで露出の多い仕事や企業に対しては興味を持つが、普段あまり表に出てこない企業や業務について知る機会は少ない。当然、就職先の候補にならない。
 ただ、地元への就職希望が強いことを踏まえ、ある大学の担当者は積極的に物流業界を紹介しているそうだ。物流企業は地元にもそこそこあるからで、金融やIT関連、マスコミなどと比べれば確かに数は多いだろう。物流業界にとって、ここに大きなチャンスがある。
 生徒や学生が就職先に求めているのは①家から通えるか②長く続けられるか③雰囲気が良いか――で、これらを重視した上で、休暇や残業、力仕事の有無などもチェックしているそうだ。社会に不安を感じている場合も多く、生き生きと働いている人の話を聞くと態度が一変するという。
 今回の意見交換会で、入社数年の若い社員が「広い視野で就職を考えた結果、物流業界に目が向いた」と話していた。また、別の社員も「倉庫は物流全体を支える心臓部。社会の根幹を支えている」と強調した。彼らは物流業界に身を置いていることに間違いなく誇りを持っている。
 物流の仕事を生徒・学生にもっと知ってもらうにはどうすればいいか。施設見学会や出前授業のような活動はどんどん実施してほしいし、SNSでの発信、メディアの活用も必要だ。実際に若者が誇りを持って働いていることと会社が地元にあることを、一人でも多くの学生に伝えたい。(今松大)