人工知能(AI)が身近なものになってきた。各分野で生成AIによる文章作成や翻訳などの業務の効率化が図られているが、内外の主要空港では、施設運営のさまざまな場面でフィジカルAIの実装が進んでいる。
旅客のチェックイン、手荷物の預け入れ、出入国申告などの手続きは、機械に置き換わりつつある。空港内で旅客・貨物を運ぶ車両の運行や、航空機の扉への搭乗橋の接着についても自動化が進む。航空機の運航情報は、リアルタイムで関係者に共有され、遅延などが生じた際の迅速な対応に生かされている。AIカメラの活用により、空港内における旅客の通過時間を把握して混雑解消のための適切な人員配置をしたり、滑走路のひび割れや落下物を迅速かつ正確に把握したりすることも可能となってきた。
仕事を奪われるのではないかという懸念がAI導入のネックとなることが指摘されるが、日本では人口減少に伴う人手不足を解決するための手段として、積極的な導入の機運が高まっていると感じる。
一方で、AIが提案する解決策に頼りすぎると、職員が判断能力を磨く機会が失われ、安定した空港運営の持続性確保に支障が生じる懸念がある。旅客のトラブル対応には、人と人とのコミュニケーションが欠かせない。新たな価値や多様性を生み出し、前例のない判断を下すためにも、人が自ら考え抜くことが必要不可欠だ。
より良い世界の実現へ、AIをいかなる場面でどう使いこなすべきか。AIが急速な進歩を遂げる中、走りながら見定めなければならない。