【ちょっといっぷく】神奈川大学名誉教授 齊藤 実氏、運送業者重視の共配

最近、花王と三菱食品を中心に、メーカーや卸売業者など9社の荷主企業が参加する共同配送コンソーシアム「CODE」が立ち上げられ、新たな共配の取り組みが始まっている。
 この共配は、物流センターから小売店などへ商品を届ける「支線配送」を異業種の荷主企業が共同で行う。いわゆるラストマイル領域における荷主企業主導の共配となる。
 この共配で注目されるのは「実運行を担う運送事業者やドライバーの価値創出を重視する」という方針が明確に打ち出されていることだ。具体的には、配送を共同化することでトラックの積載率や稼働率を向上させ、これにより運送事業者がより多くの運賃収入を確保できるようにして、収益性の改善につなげることを重視している。
 もともと荷主企業主導の共配は、荷主側が配送の仕組みを見直し、運用方法を変えるものである。そのため、実際に配送を担う運送事業者は、主体的に関与するというより、荷主企業の方針に沿って対応する立場で、共配のメリットを享受することは少ない。
 しかし、ドライバー不足をはじめ、物流を取り巻く課題が深刻化する中で、運送事業者が今後も持続的に荷主企業の物流を支えるためには、運送事業者の収益性向上につながる仕組みを構築することが不可欠となる。荷主企業側でも、その重要性への認識が強まっている。
 荷主主導の共配は、荷主企業と運送事業者がパートナーシップを強化し、運送事業者が安定的・積極的に輸送を担える持続可能な体制構築への取り組みに変化しつつある。