【ちょっといっぷく】湯浅コンサルティングコンサルタント内田 明美子氏、輸送費上昇の打開策

「トラック新法で適正原価が反映されたら、出版物物流の輸送費は2倍になる」。花王など異業種9社が立ち上げた荷主主導型共同配送コンソーシアムのCODEの報道で、メンバーの出版取次大手の発言に目を引かれた。
 これは昨年、業界団体の日本出版取次協会(富樫建会長)が試算したもの。1月には「トラック新法成立後の世界~滅びの危機か、再生の夜明けか」と題する緊急セミナーが開かれ「出版流通が一度崩壊すれば再構築は不可能、出版産業そのものの衰退に」という強い危機感が示された。
 危機は出版流通だけの特殊事情ではないと思う。多くの荷主はトラック新法で運賃値上げに直面する。「何もしなければ、輸送費が上昇して利益を圧迫する」という危機は、ある意味、マクロのトラック輸送力ひっ迫以上に、広範囲で恒常的な影響力を持つ。
 打開策の一つとなるのが、CODEのような共配の仕組み。クラウドデータウエアハウスを基盤として、かつてない使い勝手のマッチングや情報共有が可能になる。活用すればトラックの稼働率を上げ、適正原価をクリアし、輸送費を抑えるのも夢ではないだろう。
 同種の仕組みで大阪トラックディスパッチ推進協議会を主宰するシマント(和田怜CEO、東京都中央区)は「タクシー配車アプリのようになれたら」と展望していた。確かに、配車アプリは空車走行を減らしたという推計もある。
 むろん、アプリが救世主のようにトラック運送業界を変えるとは思わない。しかし、現実を変えたい、その一助としたいとの思いは共有したい。