【主張】競争激化していく3PL事業

サードパーティー・ロジスティクス(3PL)事業を手がける企業の業績が好調だ。国内輸送量は減少傾向にあるが、ドライバー不足や残業時間の規制で物流維持の重要性は高まっている。運ぶだけでなく、センター運営などを含めたサプライチェーン(供給網)全体を担うことへの需要は増しているとみられ、競争は激化しそうだ。
 セイノーホールディングスが、AZ―COM丸和ホールディングスの和佐見勝社長を西濃運輸の会長として招へいした。物流大手による業務提携は珍しくなくなったが、こうした事例は極めて珍しい。セイノーHDの田口義隆社長、和佐見氏は共に、両社の資本提携について現時点で否定しているが、将来的な大きな再編の布石となる可能性もある。
 ともあれ、短期的には、3PLに強みを持つAZ―COM丸和のノウハウを積極的に取り込みたいとの狙いが、セイノーにはある。特別積合せ事業での適正運賃の収受やM&A(合併・買収)の効果で売上高は伸びており、3PL事業を強化してさらなる拡大を図る。
 AZ―COMだけでなく、ハマキョウレックスなど3PL事業を展開する企業の決算は好調に推移している。ハマキョウでは、傘下で特積を手がける近物レックスが3PL事業や貸し切り事業にも乗り出したことで、グループのノウハウやネットワークの活用にもつながり、好循環を生み出している。
 物価高などの影響で国内消費が振るわない状況でも、物流の重要性は変わらない。むしろ、人手不足や人件費の増加で、荷主の供給責任に対する危機感は強まっている。こうした中、一括で供給網のかじ取りを任せられる3PLという選択は、効率化に寄与する。
 ただ、荷主を含む運送以外のプレーヤーは指をくわえて見ているわけではない。アマゾングループのように物流に乗り出すケースもあれば、酒類宅配のカクヤスを運営するひとまいるグループのように一般貨物運送に進出するところもある。積極的な提案なしに、この3PL競争は勝ち抜けない。(土屋太朗)