危険運転致死傷罪の適用要件を明確化するため、数値基準を導入する改正自動車運転死傷処罰法が去る6月25日に衆院本会議で全会一致で可決、成立した。内容は一般道路で最高速度から時速50㌔以上を超えて死傷事故を起こした場合、危険運転致死傷罪を一律適用すると定め、今夏にも施行される。
これまで幾多の不幸な事故が発生してきた。その都度ご遺族から危険運転致傷罪ではなく、より重い危険運転致死傷罪の適用を求める声が強かったが、適用基準が曖昧だった。極めて悪質な速度超過でも危険運転致死傷罪が適用されず、過失運転致傷罪にとどまる事例が少なくない。多くの国民から「同じような運転でも処罰に差が生じる」との批判を招いていた。
現行法の要件は「進行を制御することが困難な高速度」などと曖昧であった。
2021年に大分県で発生した、一般道を194㌔で走り人を死亡させた事件の二審では、福岡高裁が危険運転致死罪の適用を認めず、検察側は最高裁に上告している。改正法では危険運転の適用基準を、最高時速60㌔以下の道路では50㌔以上、60㌔以上の道路(主に高速道路)で60㌔以上の超過と規定。飲酒運転に関しては呼気1㍑当たりアルコール0・5㍉グラム以上、血液1㍉リットル当たりアルコール1㍉グラム以上と定めた。ビール大瓶2本を飲んだ状態に相当する。
意図的なドリフト走行なども含まれることとなり、危険運転防止へ一歩前進したが、国民感情からするとまだ基準が甘いように感じている。