ドライバーの高齢化が進んでいる。バスやタクシーの運転者では65歳以上が30%に達し、トラック運転者でも9・5%を占める。物流や旅客輸送は、今や多くの高齢ドライバーによって支えられている。
映画『ラストマイル』では、故火野正平さんが軽トラックで配送業務を担う高齢ドライバーを演じていた。下請けのオーナードライバーとして働く姿が印象的。高齢になっても現場を離れられない現実と哀愁がにじんでいた。
先日、運転免許更新の通知が届いた。70歳以上になると高齢者講習の受講が義務付けられ、さらに年齢を重ねると認知機能検査や運転技能検査も必要となる。高齢ドライバーの事故を防ぐためとはいえ、免許を維持するためのハードルは年々高くなる。
もちろん、職業ドライバーにとって免許の更新は仕事を続けるための前提条件。しかし、それは職業ドライバーだけの問題ではない。高齢者にとって運転免許は、単なる資格ではなく日々の暮らしを支える重要な手段でもある。
地方ではモータリゼーションの進展とともに公共交通機関の縮小が進み、自動車による移動が生活に欠かせなくなっている。しかし、都市部でも買い物や通院、家族との交流など、自動車がもたらす利便性は大きい。高齢者が運転をやめることは、安全面での安心を得る一方、行動範囲や生活の自由を失うことにつながる。
高齢ドライバーの問題は、安全か自由かという単純な二者択一ではない。免許更新の通知を手にし、その課題は人ごとではないと感じている。