【主張】課題解決型のサービス強化を

国内では人口減少が進み、物量拡大も見込まれない中、海外に目を向けても中東情勢の緊迫化や米関税政策などを受けて不透明な荷動きの状態が続く。こうした状況下、トラック運送や国際物流を手がける事業者には、課題解決型のサービスの強化が求められる。物流の実態を把握しているからこそ、各社の強みを生かした提案を通じ、新たな収益源に結び付けられる可能性は高い。単にモノを運んだり保管したりするだけではない提案力の重要性が増している。
 企業に求められる役割はその時代や事業環境ごとに変化したり、繰り返したりしている。あるフォワーダーの幹部は「フォワーダーの役割が一時代前に戻った感覚がある」と指摘する。
 フォワーダーが国際複合輸送を手がける存在として台頭した当初、あらゆる輸送モードや広いエリアをカバーできるのを強みに、各社は取り扱いを伸ばした。その後、それぞれが実績を重ねるにつれ、サービスはむしろ固定化する流れがみられたという。
 だが近年、世界中で多くの情報があふれ、それぞれが瞬時につながるようになった。地政学的なリスクや不確実性が高まったことで、各社には再度、多様な提案力が求められている。世界を巡る情勢が刻一刻と変わる中、この傾向は今後も続くだろう。
 国内でも同様だ。全体では輸送量の回復が見込めないものの、ドライバー不足や残業規制を背景に、物流維持に向けた対策は急務。特に過疎化が進む地方を中心に、物流課題を抱える荷主に輸送や保管だけではない効率的なサービスを提案する必要がある。
 近年の制度改正を受け、これまでの物流現場での知見を生かし、荷主向けに中長期計画の策定などを支援するコンサルティング事業を始める企業も出ている。自社の得意な事業やエリアが前提とはなるものの、さまざまな業種と結び付く物流業界だからこそ、多くの場面で提案力を発揮する機会は存在しているはずだ。
 既に無償で行っている取り組みや、コンサルなどの「目に見えない」サービスの場合、事業化に当たって料金設定などの課題もある。各社は工夫を凝らして課題解決力に磨きをかけてほしい。(土屋太朗)