熊本県で7月28日に発生した大規模地震。被害は広範囲に及び、多くの命が失われたが、テレビニュースで繰り返し流されたショッピングモールの爆発映像は、誰もがショックを受けたのではないか。
地震が起こった午後4時30分ごろ、館内には客と従業員を合わせて4千人以上がいたものの、屋外への避難誘導が行われ、5時に避難がいったん完了した。その後、5時50分に建物の2階で爆発が発生。運営会社の指示などで建物に戻ったテナント従業員ら7人が巻き込まれて亡くなった。
爆発の原因や地震との因果関係は調査中だが、外壁が吹き飛び、離れた道路にいた福山通運のトラックを大破させるほどの衝撃で、もし客などの避難誘導が遅れていたら、さらなる大惨事になっていた恐れもあった。ショッピングモール側が避難後の再入館を認めたことが明らかになったものの、初動の誘導は評価されるべきだろう。
このショッピングモールは敷地面積が22万4千平方㍍で県内最大級だったが、全国の物流施設も大型化と多層化が進む。近年竣工した施設は最新の耐震基準を満たしているが、自動荷役装置、自動ラック、DPS(デジタル・ピッキング・システム)などの導入が進む大型物流機器の存在も、考慮する必要がある。
東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)に取り組む物流企業は増えている。大規模地震発生時はまず、施設スタッフ全員の迅速な避難と安否確認に全力を尽くしてほしい。そして、いったん揺れが収まっても絶対に建屋内に戻らないよう周知徹底することも大事だ。わずかな余震が原因で、大型機器や崩れた荷物の下敷きになる恐れもある。
ある倉庫会社では、コメなどの穀類を定温倉庫内に積み上げているが、大きな地震の発生後24時間は入らないルールにしている。ショッピングモールの爆発自体は予見できなかったかもしれないが、地震の後は何が起こってもおかしくはない。それは物流施設でも同じはずだ。
避難したら戻るな。これは今回の大きな教訓だ。加えて、各種ガスや可燃物を保管する物流施設では、安全・警報装置などの作動チェックをお願いしたい。(星野誠)