突然、引っ越しが決まった。本稿が出る頃には、品川の港南にあるこのマンションから去っているはずだ。仕事柄3、4年で住所を変える人生。ここはその中でも最も意味のある場所の一つだった(いつか記事化する)。
引っ越すにはまだ早かったが、偶然見つけた物件が完璧すぎた。広さ十分、角部屋南向き、東に窓、近くのジムにはマッチョも大勢いてセキュリティー完備。最寄り駅まで徒歩3分、新幹線の駅までも乗り換えなしときた。
「事故物件では」との声が聞こえてくるが、何億年も壮大な宇宙で回ってきたちっこい星の一角で、過去に何があったかなど、どうでもいい(第一、事故物件でもない)。
契約後、待っているのが業者探し。2年前に利用した業者に問い合わせようと、企業名をネットで検索し、トップに上がったサイトに情報を書き込む。するとやってきたのは、12もの業者からの鬼電話。間違えて見積もり会社のサイトにアクセスしたようだ。
「これも仕事」と、全ての電話に出た。驚いたのが、全業者が「もう他社さんで相見積もり取られましたか」「他はいくらでしたか」と聞いてきたことだった。業界自体が「客が求めているのはどうせ安さ」とするリアルを見せつけられ、へこんだ。
私にもまれに「相見積もりを取っています」と、宣言してくる講演依頼がある。ただ、私は即刻、普段の倍の値段で見積書を送り、実質断っている。
自ら相見積もりを受け入れる世界線では、いつまで経っても業界は良くならない。そのためにも早く「プラスα」を探してほしいと思うのだ。