新潟県のメディアでは、5月に福島県郡山市の磐越自動車道で発生したマイクロバス事故を、その後も機会があるたびに大きく取り上げている。新潟市の高校男子ソフトテニス部員1人が死亡し、合わせて20人が重軽傷を負ったもので、一時は全国的にも大きく報道された。部活動の移動の在り方を中心に注目が集まったが、無許可営業(白バス)などさまざまな問題が絡み、実態は見えてこない。
これを受け、新潟県は県立高校・中等教育学校、私立高、計101校に「2025年度部活動遠征の実態調査」を実施した。100㌔以上の距離を走行した920部が対象で、移動手段とそのドライバー、契約状況といった今回の事故で浮き彫りとなった質問事項も入れた。
それによると、遠征回数は全体で4765回で、8割以上が車両移動。顧問らがハンドルを握るケースが大半だが、バス事業者やレンタカーを使うケースもあった。このうち15件について、道路運送法違反の疑いが指摘された。
外部の車両を利用する場合、契約書の発行を常にしていると回答したのが7割で、管理者による書類確認をいつもしているとしたのは4割弱にとどまった。磐越道の事故では、高校とバス会社、双方の言い分が食い違っており、それが事実解明を難航させているが、少なからず背景を裏付ける結果となった。
このアンケートを踏まえ、県は8月20日に再発防止策を公表。学校側に安全管理への仕組みづくりを強く求め、その中には車両ナンバーが緑か白かの確認も盛り込んだ。
普段、有償輸送に関わっていない人は、緑ナンバーと白ナンバーの違いを意識しないで生活しているのではないか。その区別がつかない人も相当数いそうだが、普通自動車免許を取得する際にはテキストなどで目にしているはずだ。世間が「営業用」「自家用」の違いを当たり前のように理解している社会だったら、今回の事故はもしかしたらどこかで止められたのかもしれない。
国土交通省は白トラ行為に関わる行政処分を厳格化する方針だ。トラック運送業界の違法行為排除につながることを期待したい。(河野元)