9月1日は防災の日。大正時代に発生した関東大震災などを教訓に、防災対策の重要性を広く国民に理解してもらうための日だ。メディアでは、この日に行われた防災訓練の様子や、個人でストックしていた災害食を食べたり、防災グッズの中身を改めて確認したりする人々の姿が報じられた。
また、東北では東日本大震災が発生した3月11日に追悼イベントを実施している自治体が多い。こうした機会に、防災意識を高めることは重要だ。もっとも、近年は災害続きで、関心を持たざるを得ないが……。
対策を施していても、天災はその上をいく。油断したわけではないのに、盲点を突かれるのだ。茨城県には、台風が東からやって来て初めて上陸。その後も、大雨が広いエリアで猛威を振るい、関東や北陸、東北などで道路のアンダーパスが冠水して乗用車は水没した。
千葉豪雨で水没した数千台の車両のうち、半数近くが損害保険の車両保険契約をしていなかった恐れがあるとも言われている。保険料を低く抑えるため、やむを得ず自損の補償を見送ったのかもしれない。
こうしたリスクは高まっており、備えを一つ上のステージに設定する必要がありそうだ。大震災で津波の被害を受けた物流会社では、地上にあったキュービクル(高圧受電設備)を高い場所に設置したり、本社機能を代替する拠点を設けたりするなど、同じてつを踏まないよう対応している。
8日に名古屋市を襲った大雨では、被害を最小限に抑えられた。2000年の東海豪雨による甚大な被害を教訓に整備された巨大な調整池が、役に立ったそうだ。23年7月に浸水した秋田駅周辺では冠水対策、仙台駅周辺でも雨水管整備の工事が、それぞれ進められている。
ある物流会社の社長が「もはや災害は忘れた頃にやってくるのではなく、毎年必ずやって来ると考えなければならない」と話していたが、まさにその通りだ。防災の日から数週間経過したが、意識は変えられただろうか。今すぐ、保険の見直しも含めて一段上の防災対策を講じたい。(今松大)