【主張】ダンプ業界、今こそ正念場

トラック適正化2法(トラック新法)による違法な白ナンバートラックの規制強化により、ダンプ輸送では白から緑ナンバーへの移行が急速に進んでいる。2月の国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課長名の通達で、白ナンバーダンプの扱いが明確に示され、実態として有償の運送を行っていた白ナンバーの個人事業主などは、建設関連会社と雇用契約を締結し、従業員として働くケースも増えているという。
 こうした適正化の流れに抵抗する動きが見られる。全国建設産業団体連合会(全国建産連)は6月、国交省に対し、中東情勢の悪化に伴う石油製品の安定供給対策と併せて、白トラ規制の緩和・軽減を要請した。規制強化により「建設現場の資材調達などに大きな混乱や不安が生じている」とし、自然災害の復旧作業を円滑に進める上でも規制の弾力化を求めた。
 これに対し、9月3日に高松市で開かれた全日本トラック協会ダンプトラック部会の総会では、岡田安正部会長が「法に逆行する動きだ」と警戒感を示し「安定供給まで数年かかるとは思うが、地域を超えて緑ナンバーを利用できる仕組みづくり(144時間ルールの弾力化など)を訴えていきたい」と述べた。
 建設業界と物流業界の意見が対立している状況だが、客観的に見ても、全国建産連の白トラ規制緩和要請には違和感を覚える。輸送の供給不足を一時的な規制緩和でしのげば、根本的な解決は遠のく。輸送の担い手が減っている原因は、若い労働力人口の減少に加え、長時間労働や低い賃金など構造的な課題にある。
 緑ナンバーに比べて低い運行管理コストで有償運送を行う違法ダンプの排除が徹底されなければ、適正運賃収受や労働環境改善は停滞し、ドライバーの世代交代は進まない。近い将来、物流がストップして多大な悪影響を受けるのは建設業界だ。
 ダンプ業界も、ここが正念場だ。総会で、岡田氏は「適正原価収受が事業許可更新の要件になっているのは、ダンプにとって障壁になり得る」と懸念を示したが、災害復旧のためにも持続可能なダンプ輸送を目指し、き然と運賃交渉に臨んでほしい。(江藤和博)