【主張】「協調」の重要性 過去に学べ

物流効率化法(新物効法)の本格施行もあり、意識の高い荷主の中では将来を見据え、対策を講じる動きが顕著になってきた。その一つとして、新潟県の菓子メーカー6社による連携が挙げられる。物流に特化したもので、輸送効率化やパレット化、さらに伝票レスや検品レスなどについても研究を進めている。
 月1回のペースで話し合いの場を設け、個々の取り組みを発表し、自社の参考にする。一緒に解決できそうな課題は、共同化の方向性を探る。6社全てではないものの、既にダブル連結トラックによる共同配送、パレットの有効活用といった成果も見られる。
 このうちの1社、ブルボンのCLO(物流統括管理者)によると「開発、製造、販売は市場『競争』だが、物流に関しては他社と『共同』する時代」とのスタンスだ。
 経済産業、国土交通の両省が推進する「フィジカルインターネット(PI)を実現する検討会」などでも「物流を各社の差異化競争(競争領域)ではなく、業界全体の基盤(協調領域)と捉え直す」という考え方が明示されており、これを地方レベルで展開しているケースといえる。新潟の米菓出荷額は全国1位で、この分野に関しては、インパクトが決して小さくない。
 物流を「競争」ではなく、「共同」「協調領域」と受け止める見方――。トラック運送事業者から、かつてこれと似たニュアンスの発言を聞いていたことを思い出した。長野県トラック協会の宮崎一治元会長が、しきりに「これからは同業者同士、『競争』と『協調』のバランスが大事」と言っていた。会長に就く以前の物流2法施行間もない1990年代前半の頃で、新規参入が免許制から許可制に替わった時期だ。それまでは各路線や地域で需給調整が行われていたが、それがなくなり、規制が緩和された。
 以後、4万社だった事業者が6万社を超え、大幅に自由競争に傾き、「協調」が後回しにされた感は否めない。その結果、35年を経て新物流2法が施行され、さまざまな義務の強化が図られている。
 国内での労働力減少は避けられない。「協調」「共同」の重要性を、過去からも学んでいかねばならない。(河野元)