【主張】黄線区課題、広い視点で議論を

JR北海道が、単独では維持が困難とする線区(黄線区)の存続に向けて、沿線自治体などと協議会を立ち上げた。線区ごとのワーキンググループ(WG)での議論も行い、2026年度末までに「抜本的な改善方策」を取りまとめる予定だ。黄線区の一部では貨物列車も運行している。新しく浮上したテーマではないものの、この協議会を契機に、物流も含めて広い視点での議論が欠かせない。
 道内の鉄道輸送網の存廃については課題が多く、これまでも多くの検討の場が設けられてきた。
 黄線区に関してJR北海道が4月、鉄道の運行と線路の保有・管理を別々の主体で行う「上下分離方式」の導入を視野に自治体と協議する意向を示したが、自治体からの反発を受けたことから撤回。協議会での議論に移ることになった。
 黄線区は石北線や室蘭線など、貨物列車が運行する線区も対象となっているため、旅客だけでなく物流の議論も必要だ。協議会の初会合後の会見で、北見市長など自治体の首長からも物流機能について言及があった。
 ただ、協議会では、JR貨物はオブザーバーとしての立場だ。貨物列車が走る線区でのWGに関しては、物流も重視し、主体的に関わることが求められる。
 人口減少に歯止めがかからない中、JR北海道のサービス低下で、旅客利用がさらに減るという悪循環も生まれている。今年の大雨被害も記憶に新しいが、災害による輸送障害は頻発している。
 こうした中、上下分離方式が反発されたのは、費用負担の高さからだ。
 鉄道輸送を巡っては北海道新幹線の札幌延伸に伴う並行在来線の課題もある。10月には、整備新幹線の並行在来線に関係する12道県の協議会が維持・存続に向けた財政支援を国に求めている。
 黄線区にせよ、並行在来線にせよ、最終的には費用負担の問題が大きい。道や国による積極的な財政関与は避けられない。だが、それで終わらせてはいけない。自動運転の整備推進など他のモードを含めた持続可能な輸送をテーマに、活発な議論を行う必要がある。(土屋太朗)