知事と市長がダブル当選、大ト協「満額交付」遠のく?

政治・行政
交付金制度の継続が見込まれる一方、府議会の勢力図が変わっていない
交付金制度の継続が見込まれる一方、府議会の勢力図が変わっていない

8日投開票の衆院選とともに大阪で行われた府知事・市長選挙で、大阪維新の会の吉村洋文知事、横山英幸市長がともに再選され、維新府政となってから運輸事業振興助成交付金の大幅減額が続いている大阪府トラック協会(重博文会長代行)にとっては、今後も満額交付に向けた難しい局面が続くことになりそうだ。大阪のダブル選は大阪都構想への再挑戦の是非を争点に掲げて実施されたもので、今回の結果は道路インフラの整備にも影響する可能性がある。(根来冬太、黒須晃、小菓史和)
 大阪維新は、都構想が実現すれば二重行政の解消により行政の意思決定が速やかになると主張。道路整備で、門真市稗島から大阪市北区豊崎をつなぐ淀川左岸線延伸部の整備など、これまで府と市で費用負担を巡って結論が出ず進展が滞った例があり、こうした二重行政の解消や、府市が別々に運営していた港湾局が統合されたことで一体となった港湾運営が可能になったように、行政の効率化につながる動きを期待する声も聞かれる。
 ただ、維新府政が続くことで、大ト協に対する交付金は満額とならない可能性が高いことに変わりはない。
 今回の衆院選で、これまで良好な関係を続けてきた自民党が圧勝したことで、さまざまな要望も通りやすくなるといった期待はあるものの、今後は大阪維新や日本維新との関係も重視せざるを得なくなってくる。
 一方、これまで交付金の満額交付に対して協力的だった公明党との関係も維持していく必要があり、運送業界の適正化に不可欠な交付金の満額交付に向け、大ト協では、まだまだ難しいかじ取りが続くことになりそうだ。
 2011年度に橋下徹知事(大阪維新の会、当時)が大ト協への交付金を全額カット。これ以降、府は「運輸事業の振興の助成に関する法律」(交付金法)の規定によらず、独自の要綱を策定し、交付金を他の補助金と同等に位置付けるとともに減額支給を続けている。
 こうした状況を打開するため、これまで自民党大阪府連、公明党大阪府本部など各党・会派に対し陳情活動を展開してきたものの、満額交付には至っていない。
 そんな中、25年10月に高市早苗氏が首相に就任。自民、日本維新の会による連立政権がスタートした。交付金の原資である軽油引取税の旧暫定税率の廃止が与野党合意に至ったことから、交付金存続に対する不安感が漂ったものの、トラック、バスの両事業に対する運輸事業振興助成交付金制度の継続を規定する法案が、12月の臨時国会で衆院に提出された。衆院解散に伴い廃案となったが、与野党の全党・会派一致による議員立法だったことから、今後再提出される可能性は高い。
 交付金制度の継続が見込まれる一方で、大阪では府議会の勢力図が変わっていない上、吉村氏と横山氏がダブル再選した。それに加えて、衆院選でも維新は大阪の19選挙区の独占こそ逃したものの18議席を獲得、全体では36議席を確保した。
 高市首相は「維新との連立はこれからも続けていきたい」との方針を示している。大ト協への満額交付には厳しい状況が続くことが予想され、関係者からも、交付金のより一層の減額を懸念する声が聞かれる。